将棋のプロ棋士である暮菱 空(くれびし そら)はタイトル戦の前日に交通事故に遭い、異世界貴族の嫡子・クレスに転生。その世界では「盤上君主」と呼ばれる将棋に似たゲームが貧富問わず流行しており、クレスは将棋の頭脳を遺憾なく発揮し「神童」と呼ばれるまでになっていた。暖かい家族に囲まれ幸せな日々を送っていたあくる日、突如としてその生活は崩壊を迎えるのであった――。
前世がプロの将棋棋士である異世界貴族の嫡子・クレスの幸せな日々は紅蓮の炎に焼け落ちた。母親に託されたエインフィルの宝物から姿を現す「ケイ」。彼女の悪魔じみた誘惑を受け入れ、家族を殺した仇を討つと復讐を誓うクレスの姿があった――。
前世がプロの将棋棋士である異世界貴族の嫡子・クレスは、ソラ・クレビシとして家族の仇への復讐を決意する。街の酒場で城を襲った「角兎の牙傭兵団」を発見し、団長へ盤上君主で勝負を挑む。それぞれの魂を秤に乗せて――。
前世がプロの将棋棋士で異世界貴族であったソラ・クレビシは、城を襲撃した傭兵団の団長へ将棋に似たボードゲーム、盤上君主で勝負を挑み打ち勝つ。契約によりソラの従者・ケイに魂を食われる団長。ケイの傀儡となった彼から依頼主の情報を聞き出すのであった――。
復讐を誓うソラは城の襲撃を命令したテルシュダル男爵に接近するため、盤上君主の大会「国王杯」出場を目指す。街外れの教室を訪れ、推薦枠を譲ってもらうため交渉するソラ。しかし街の荒くれ者・スーリャに難癖をつけられ――。
「国王杯」の出場枠を巡って、街の荒くれ者・スーリャと盤上君主で勝負することになったソラ。貴族に恨みを持つ者と、元貴族。立場は違えど、男爵に因縁のある二人の戦いは熾烈を極め――。
盤上君主でスーリャを下したソラ。その一方、スーリャの師匠・ターデンが男爵の魔の手にかかろうとしていた。それを救おうと奔走するソラは、山賊から耳を疑う事実を知る――。
師匠・ターデンの元へ駆けつけるソラとスーリャ。間一髪のところでターデンを救出するスーリャだが、山賊の魔の手はすぐそこまで迫っていた。ソラは魔法の指輪を装備し奔走する。形勢逆転の一手のために――。
開戦した国王杯予選。男爵の圧力により出場者の覇気がないことを嘆くケイ。ソラの2回戦目の対局相手・アーダンも同様に、男爵からの脅しを受けていた。そんな彼にソラが語りかけた言葉とは――。
国王杯予選3回戦目。対戦相手の男爵子息ハインズに対局前から降参を求められ困惑しながらも憤慨するソラ。ハインズの腕前は貧弱。勝負は早々に決着するかと思えたが――。
中止となった国王杯予選。なぜ家族を皆殺しにしたのか――。その真実を確かめるためソラは男爵の元へ向かう。遂に果たされた対話。だがそこで男爵の口から垂れ流される戯言に憤慨したソラは――。
ついに家族の仇である男爵との対局を果たしたソラ。繰り広げられる互いの魂を秤にかけた死闘。その決着の行方、そして男爵の語る真実とは――。
仇の男爵を討ったソラ。その裏で手を引いていた第二王子マグヌスに接近すべく、国王杯本戦に出場へ歩を進める。しかし、とあるアイテムを探す街の検問に足を止められる。それはソラの持つ「箱」と「指輪」であった――。
指輪を隠して街の検問を突破することになったソラ。ドワーフの鍛冶師に打開策を聞くも、その策を講じるには金銭が足りなかった。真剣師であるスーリャは賭け盤上君主を開催する――。
国王杯、1回戦。ソラの対局相手は第一王子・オスカーであった。マグヌスとの繋がりを作りたいソラだが、オスカーの対局スタイルに驚愕する。通称”柔弱無能”の真の姿とは――。
第一王子・オスカーは小さな手掛かりからソラの正体を暴く。そして語られる血生臭い大義とマグヌスとの確執。取引を持ち掛けられたソラの取った選択とは――。
復讐を遂げるため第一王子・オスカーと結託したソラ。食客として屋敷に出入りするようになったソラだが、仇であるマグヌスから牽制を仕掛けられる。それを逆手に取ったオスカーとソラの策略とは――。
抹殺しようと刺客を送り込もうとしているマグヌスに対し、あえて囮になること選んだソラ。スーリャと協力し罠を仕掛け、おびき出される刺客。その正体にソラは何を思う――。
仇であるマグヌスが誕生祭で国王を暗殺しようと企てていることを知るソラ。オスカーは国王殺害の混乱に乗じてマグヌスに復讐しろと提案する。その真意はソラに罪を擦りつけすべてを得ることだった。それに対し、ソラの取った選択とは――。
国王の生誕祭に変装し忍び込んだソラ。しかしトラブルで正体が判明してしまいオスカーとマグヌスの護衛から逃走する。生誕祭中に計画されているマグヌスの国王暗殺を阻止すべく、ソラとスーリャの仕掛けた一手とは――。
国王暗殺を阻止すべく誕生式典に乱入するソラ。親の仇であるマグヌスと対峙し、開戦した互いの命を懸けた悪魔の対局。しかし、ある人物の謀略による横槍が入り――。
血の契りにより、盤上君主の盤面を模した異空間に召喚されたソラとマグヌス。自らが駒となり殺し合いの対局をする二人へ、場を形成する戦の記憶が追想されていく。繰り返す死にマグヌスは深き本性を現し――。
異空間で互いの命を削り合うソラとマグヌス。戦の記憶により死に際の父と再会し、ある言葉を思い出すソラ。力がすべてだと主張するマグヌスを否定する、渾身の一手とは――。
マグヌスを討ち、ついに家族の仇をとったソラ。しかし力に捉われた者たちとの闘争は終わってはいない。オスカーの襲撃により絶体絶命のソラは――。復讐の先の盤面は絶望か希望か、ここに完結。