あらすじ16歳の女子高生・美和。初めて好きになった人は、28歳のサラリーマン・ハルオだった。純粋で素直な《子供》の美和と、打算的で意地っ張りな《大人》のハルオ。前途多難なこの恋は、はたして無事に実るのか?多摩川沿いの街を舞台に描かれる恋物語、ついに完結。連載第10話~最終話までと、描き下ろしのオマケ漫画を収録。
舞台は東京と神奈川の県境を跨ぐ丸子橋。広大な多摩川は気持ち良さそうで、橋の下の空気感はユルく、子供と遊ぶチャランポランな大人がいても、何となくおかしくない雰囲気がある。 そんな所で小学生と遊ぶ三十路男は、小学生の姉の女子高生と出会う。女子高生はひたすら男に恋するが、三十路男ははぐらかすばかり。 この作品、男性陣にかなりモヤっとする。大切な物に向き合わない三十路男、女子高生に迫るチャラ男、横から覗くばかりの女子高生のファンクラブ等々。それに対する女子高生の、キラキラした真っ直ぐさに胸を掴まれる。 しかし三十路男に関してはその背景が描かれ、スレた大人のこんがらがり方に共感してしまう。純粋な女子高生とその弟に安らぎ、大切にしたいと思っている男は、様々なこんがらがった物を解いて、女子高生と向き合う時は来るのか……愛らしい恋愛コメディの尊い瞬間の向こうに、疲れた三十路男の安楽がある。