あらすじ物語の主人公・キーチは、きかん坊で何があっても泣かない異色の幼稚園児。両親、先生、友達……多くの人に愛されてきたキーチ。しかし、親子三人で出かけたある日、キーチの目の前で両親が通り魔に襲われてしまう。たった4歳にして、尊敬するパパと大好きなママを失ったキーチ。両親の死を乗り越えるため、もがき苦しむが――「両親と会いたい」という希望が「両親に会えない」という絶望に変わる時、キーチは……!?
新井英樹マンガをあまり読めてなかったなーと思い読み始めたが、やはり凄まじかった。 器の大きそうな両親と、とんでもなくエネルギーに満ち満ちている幼児のキーチの核家族から話は始まる。 なぜかは分からないが、読み進めていくと最初からずっと泣きそうな気持ちで読んでいることに気付いた。 両親の愛ゆえだろうか、ノスタルジーだろうか、キーチの中に何かを見ているんだろうか、と。 2巻でようやく分かった、最初からそうだったんだ、そういう目線で描いていたんだと。 僕は2巻で涙が止まらなくなってしまった。 そこからは一気に読んだ。 パワー。 紙面から溢れる人間的魅力、迸る生命力。 あてられてしまった。 荒唐無稽な話にも思えるが、それを可能にしてしまうと思わせてしまう漫画の強さがあった。 何を見て何を食べて何に影響受けて育ったらこの強さを出せるんだろう。 恥ずかしい話、一生勝てないと思ってしまった。 もう、勝てないのはいいとして、早く、続きを読もう。