あらすじキーチは信じている。閉鎖された出口の見えない世の中でも、何をやっても無駄なんだと思わせる世の中でも、権力よりもお金よりも強いものがあるはずだ!!灼熱の8月31日、キーチたちの後戻りのできない壮大なる闘いが始まった――。同級生・みさとの売春問題に端を発したキーチの怒りの矛先はどこに向かう!?世間を震撼させたキーチだったが、問題解決には至らず……。キーチ、甲斐、みさと、どうする!?
新井英樹マンガをあまり読めてなかったなーと思い読み始めたが、やはり凄まじかった。 器の大きそうな両親と、とんでもなくエネルギーに満ち満ちている幼児のキーチの核家族から話は始まる。 なぜかは分からないが、読み進めていくと最初からずっと泣きそうな気持ちで読んでいることに気付いた。 両親の愛ゆえだろうか、ノスタルジーだろうか、キーチの中に何かを見ているんだろうか、と。 2巻でようやく分かった、最初からそうだったんだ、そういう目線で描いていたんだと。 僕は2巻で涙が止まらなくなってしまった。 そこからは一気に読んだ。 パワー。 紙面から溢れる人間的魅力、迸る生命力。 あてられてしまった。 荒唐無稽な話にも思えるが、それを可能にしてしまうと思わせてしまう漫画の強さがあった。 何を見て何を食べて何に影響受けて育ったらこの強さを出せるんだろう。 恥ずかしい話、一生勝てないと思ってしまった。 もう、勝てないのはいいとして、早く、続きを読もう。