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小説家である聖奈は、実の姉である優奈に恋愛感情のようなものを抱いていた。姉が離れたことによる「喪失感」に耐え切れなくなり、小説が書けなくなった聖奈は、姉からのメッセージにも返事ができずにいた。まともな生活すらままならない聖奈を、姉の親友であり、『姉の元恋人』の菊がしつこく世話を焼きに訪ねてくる。聖奈は、菊のことを苦手だと思いながらも、つい流されてしまう。そんな菊にも、聖奈に対して抱える感情があった――。二人の成人女性が抱える恋のお話。
小説家である聖奈は、実の姉である優奈に恋愛感情のようなものを抱いていた。姉が離れたことによる「喪失感」に耐え切れなくなり、小説が書けなくなった聖奈は、姉からのメッセージにも返事ができずにいた。まともな生活すらままならない聖奈を、姉の親友であり、『姉の元恋人』の菊がしつこく世話を焼きに訪ねてくる。聖奈は、菊のことを苦手だと思いながらも、つい流されてしまう。そんな菊にも、聖奈に対して抱える感情があった――。二人の成人女性が抱える恋のお話。
誰にも言えない想い、実の姉への恋。その恋心に気づいたのは、姉に恋人ができた時。 以来絶望の中、唯一の肉親である姉と離れ、孤独に暮らす妹。彼女のあまりに深い絶望、先の見えない闇が1巻を通じて表現され、その無力感を共有させられる。 どんどん遠くなってゆく姉。それにつれて、何もできなくなる妹。絶望の縁にいる彼女に、姉の親友で、かつて妹を打ちのめした「姉の恋人」でもあった人が、妹と恋人になりたいと言い出し、世話を焼き始める。 妹と姉の親友、双方のままならない恋心。心ときめくはずの恋がどこまでも重く描かれ、その先行きの不安さに我を忘れて没入してゆく。 完全に拗れてしまっている妹の心の救いはあるのか、この切ない人と、その人に恋してしまった人の切なさから、目が離せない。