江戸幕府最後の将軍として大政奉還を決意した徳川慶喜(とくがわ・よしのぶ)。1853年6月、アメリカ東インド艦隊が4艘の軍艦を率いて浦賀沖に来航し、江戸城に砲門を向け日本に開国を迫った。徳川御三卿(とくがわごさんきょう)一橋家の当主であり、五体に力みなぎる17歳の青年だった慶喜は漁師に扮し、小船で黒船に向かい、その軍事力に驚愕する。第12代将軍・徳川家慶(いえよし)が他界し、その子・家定が第13代将軍となり幕政にあたることになると、慶喜のもとにも将軍の名代として幕政に立つことが望まれるようになり……。幕末の動乱期、今後の日本を見据えて行動し、明治政府最大の功労者と讃えられる慶喜の波乱に満ちた生涯を活写!!