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「か弱い乙女のふりはやめろ。お前がいかに淫らで堕落した女か。私はとっくに知っている。オーレンヌの毒花寵妃」愛する人に真実を告げることができぬまま、熱い執着に躯と心を奪われて……愛憎渦巻くエロティックロマンス! 侯爵令嬢カザリナは、幼い頃に誓った適わぬ恋を胸に秘めたまま、王の愛人である公式寵妃となった。カザリナが王を誑かす悪女として振舞うことで、宮廷の悪意を一身に集め、他国から嫁いできた王妃への悪評を遠ざけるためだ。カザリナは、親友である王と王妃を守るため、処女のまま偽りの寵妃を演じていた。あるとき、宰相である兄が重傷との知らせを受け、カザリナは国境の戦場へと向かった。しかしそれは、今は敵対するスヴェルーシ帝国の皇帝となった幼馴染、アレクセイの罠だった。彼は将来を誓いながらも寵妃となったカザリナを心の底から憎んでいた。手枷をはめたカザリナを、氷のような蒼く冷たい瞳で見下ろす。愛と憎しみに心を引き裂かれそうになりながら……。