あらすじ

統兵衛を誘い込む白い闇の罠が次々に襲う。悪の力が足りず苦戦が続く統兵衛。悪なしでは咎狩は発動しないのだ。一方白い闇の下に集まったチーム「ex」は町を舞台に連続爆破事件を実行。咎が大量にうごめく事件現場へ到着する統兵衛は、どうにか緒戦の敵を倒すことに成功するが…
トガリ 1

現世で罪を犯し地獄へ送られたものの300年の間抵抗を続けた男、統兵衛。人のぬくもりを知らず、ただ生き延びることだけをシンプルなルールとして生きたこの少年は、地獄の首魁・エマとひとつの取引をする。罪を狩ることのできる木刀・咎狩を用いて、108日の間に108の罪を狩ること。トガリと呼ばれるこの試練をこなせばあらたな生を与えられるというのだ。悪を以って悪を討つ統兵衛の300年ぶりの人間界現世での生がはじまる。その先にあるのは悪滲む暗き闇か、それとも……。

トガリ 2

統兵衛は生前犯した罪により地獄へと送られた極悪人。そんな統兵衛は地獄の首魁エマに罪を狩ることのできる木刀・咎狩を渡される。現世での108日で108の罪を狩れば自由が与えられるというのだ。現世へ来た統兵衛は、最初に出会った少女いつきの祖父の元で暮らすこととなる。ある日いつきと共に銀行強盗に遭遇。いつきが人質にとられるが…。

トガリ 3

統兵衛は地獄から自由になるために、罪を狩ることのできる木刀・咎狩を振るい、地獄の首魁エマに命じられた108日での108の罪狩りを行う。しかし人助けをしたため闇を力の源とする咎狩はその力を失ってしまう。統兵衛は自らのルーツである心の闇を取り戻し、ふたたび咎狩と共に罪を狩るようになった。しかし彼の前に次に現れたのは光の如き“白い闇”……。

トガリ 4

統兵衛を誘い込む白い闇の罠が次々に襲う。悪の力が足りず苦戦が続く統兵衛。悪なしでは咎狩は発動しないのだ。一方白い闇の下に集まったチーム「ex」は町を舞台に連続爆破事件を実行。咎が大量にうごめく事件現場へ到着する統兵衛は、どうにか緒戦の敵を倒すことに成功するが…

トガリ

「おまえの罪をよこせ!」悪を裁く悪

トガリ 夏目義徳
みど丸
みど丸

新装版が発売されたタイミングで手に取りました。『クロザクロ』のダークな雰囲気が印象に残っていたのですが、前作であるこの『トガリ』も悪人が悪人を狩るという、ピカレスクに振り切った内容です。 ダークなアクションで魅せる本編の魅力ももちろんながら、新装版には夏目先生の各話解説が付いていて、これも読み応えがあります。 どんなことを考えて描いていたのか、いつ連載終了が決まったのか、モチベーションは何だったのか…。週刊連載というシビアな世界の感覚が克明に記されていて、辛いことばも多々あるのですが、のめり込んで読んでしまう。 作者の言葉とともに作品を読めるというのは貴重な味わいだと思います。 他者を拒絶するだけだった統兵衛が人とのつながりを認め、少しずつ変わり始めていき、物語が加速するターニングポイントで連載終了となってしまった本作。 そこから10年の時を経て続編再開、ということ自体が『トガリ』という作品の持つパワーを証明していると思います。間違いなく「続きが読みたい」と感じられる漫画でした。 4巻読み終わった頃にはきっと続編『咎狩 白』も読みたくなるはずですよ。