ふたつの赤い靴がつなぐ青春の絆

青春の瑞々しさ・ほろ苦さ・爽やかさにくわえて、若者の持つエネルギーの熱さ…。 ジュブナイルストーリーの魅力がたっぷり詰まったマンガです。 佐原ミズ作品は本作が初めてだったのですが、圧倒されてしまいました。 主人公・鉄宇(きみたか)とヒロイン・宝(たから)はバスケとフラメンコ、それぞれの夢に敗れてしまいます。偶然出会った彼らは、自分には似合わなくなったバスケシューズとフラメンコシューズ…お互いの「赤い靴」を交換します。 高校生になり、宝が新たにバスケを始めたことを知った鉄宇は、自身もまた彼女から受け取った赤い靴を履き、フラメンコ教室のドアを叩くことに…。 本作の多くの登場人物は過去に引きずられ、未来におびえています。 鉄宇と宝は靴と一緒に、互いの夢を交換することで、未来に向かって進んでいけるようになりました。 鉄宇が赤い靴を履いたことで「アイツががんばってるんだから、自分もがんばろう」と周囲のキャラクターも、みな少しずつ変わっていくのです。 一度くじけても、誰かと一緒なら新しい夢を追っていける…その姿に勇気づけられます。 6巻と短いストーリーではありますが、彼らの未来に思いを馳せながら読了した時の充実感、味わってみてほしいです。 末筆ではございますが、妹の銘椀(なまり)ちゃんが終始かわいいことを付け加えさせていただきます。 ホント健気でいい子でね…。

ANAGUMA
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