あらすじ軍の秘密兵器として徴用された、脳味噌替わりに豆腐を頭にいれたブリキの人造人間は、社会勉強として娼館に連れてこられる。ナニができるわけでもない人造人間は、人間製造の秘密を聞こうとするがはぐらかされたまま娼婦と旅にでるが……。表題作『ブリキの蚕』を初め、どこか寂寥感のただよう、湊谷夢吉短編集第3弾。
どの作品にも似ていない、美しい絵柄で有名な湊谷夢吉の作品集。若いだけのトゲトゲしたやる気ではない、酸いも甘いも噛み分けた“大人の余裕”がとてもカッコイイのです。この作品でしか味わえない感情というものがある気がします。