あらすじ日本と大陸を股にかける、しがない中年オトコ・宮戸音吉。流れ着いた上海では、阿片密売組織と軍部の争いに巻き込まれ、日本で猥本出版を手伝わされるかと思えば、軍人の依頼で“慰安”用人形を作成させられたりも。どこでも何かに巻き込まれる宮戸は、硝煙と美女の匂いにまみれながらも、ただ飄々と流されていく。奇妙な浮遊感を味わえる湊谷夢吉短編集の第2弾。
どの作品にも似ていない、美しい絵柄で有名な湊谷夢吉の作品集。若いだけのトゲトゲしたやる気ではない、酸いも甘いも噛み分けた“大人の余裕”がとてもカッコイイのです。この作品でしか味わえない感情というものがある気がします。