高校2年の春に医師から余命2年の宣告を受けていた千田原一花。それから3年、大学2年になった一花はいつ終わるともしれない命を抱えたまま漠然と過ごしていていた。そんなある日、以前想いを寄せていた元哲学講師・萬木昭文を見かけたことで一花の生の時間が動き始める。何も言わずに大学を去った萬木先生との再会を機に、精一杯のアプローチを試みる一花。しかし彼もまた不治の病を抱えていたことを知ってしまう。一花のために、自分から遠ざけようとする先生。困惑しながらも「それでもあなたと一緒にいたい」と懇願する一花。自身の病を隠しながら先生との距離を縮めていく一花だったが、余命僅かであることを彼に知られてしまい――。はかない生を歩む一花と、静かに消えていこうとする先生の、束の間の恋の物語。
大学2年の千田原一花は、病によりいつ死ぬともしれない 不安定な日々を過ごしていた。そんなある日、彼女は想いを寄せていた元哲学講師・萬木昭史と偶然再会。この機会を逃すまいと熱烈なアプローチをするが、彼もまた不治の病を抱えていたことを知る。一花との距離を置こうとする先生。それでも自身の病を隠しながら交流を強く望む一花。しかし発作で倒れて入院したことで 余命わずかであることを先生に知られてしまう。動揺した一花は先生との別れを決意するが 孤独に揺れる彼女の想いを受け止めたのは、生きる希望をなくしていた先生だった。本音をさらけ出したふたりの絆は深まり、「今後やりたいこと」について語り合う。だがそれぞれの命のタイムリミットは着実に近づいていた…。はかない生を歩む一花と先生の、束の間の恋の物語―――完結。
※ネタバレを含むクチコミです。