あらすじ中学二年の夏。新聞部に所属する蜷森茜は、放課後の心霊スポット取材を通して転校生の雨村さんと二人だけの思い出を作っていく。一方その頃、二人の通う学校では七不思議の「忘れられた七番目の怪談」の噂が生徒たちの間で広まっていて…?迷路のような「宵の坂町」を巡る二人きりの放課後探検譚、絆と謎が深まる第2巻!
急坂に幾重にも住宅が重なり、細い階段が複雑に続く町。懐かしい反面、廃れつつあるそこには心霊スポットが点在している。新聞部の女子はクラスの転校生女子を伴って、町の心霊スポットを取材して回る。 階段や廃墟好きな私にはどストライクなこの作品。ごちゃごちゃして、陰鬱としていて少し怖くて、退廃感が美しい。 心霊の謎を解く二人だが、転校生はどこか儚げで、古い風景に溶け込んでしまいそう。教室では接点の無い二人が、放課後だけ共に探索を楽しむ様子は楽しそうなのに、何処までも存在の不安が付き纏う。 心通わす二人の時間が、どうか消えないでと願ってしまう。楽しさの中に切なさを漂わせる作品だ。