あらすじ異次元トンネル“ブルーホール”。時空のネットワークは、生命の起源につながる壮大な可能性をはらんでいた。地球汚染一掃のため、現代と白亜紀をつなぐ「ブルー・ホール計画」の進行中、恐竜絶滅を招いた、ジャイアント・インパクト(巨大隕石衝突)の脅威が迫る!勇敢な科学者たちは、地球を救うために、宇宙と自然の猛威に立ち向かう……。恐竜への畏敬の念あふれる、星野之宣の珠玉作、堂々完結!書き下ろしあとがきも収録。
ブルーホールという言葉自体は現実にもありますね。海にぽっかりと空いた、見る者をなんとも不安な感覚を覚えさせるかのような大きな穴。普通とは違うブルーホールが海底に存在し、普通とは違う海水であったり、ソナーが効かなったり、磁気異常があったりと、とても不思議。そんなブルーホールに近づいていくと出てきたのはなんとシーラカンスの群れ! さらには白亜紀の海生爬虫類が登場し、シーラカンスを捕食したり、さらに大きな首長竜が出てきたりと(そしてこのシーンが美しいこと)……なんともはや無茶苦茶です(笑) でも、そこはさすが星野先生。無茶苦茶ですが荒唐無稽ではなく、骨太なハードSFとして描かれていて大変おもしろい。ネス湖やバミューダトライアングルにもしかすると本当に何かあるのでは?といったロマンあふれる想像を掻き立てられる逸品。続編「ブルー・ワールド」もぜひ合わせて読んでみてほしい。