戦に敗れた最強の女騎士を待ち受けていたのは、敵国“蛮族王との結婚”だった!? 元敵同士の二人が紡ぐ本格異世界婚姻譚、開幕!! 「こ…好ましく思ってはいるんだぞ?」。戦争に敗れ、敵国の蛮族に嫁ぐこととなった女騎士・セラ。当初は彼らの文化を拒絶していた彼女であったが、地元民との交流や、求婚してきた相手・ヴェーオルとの共闘を経て、次第に心を開くようになっていた。そんな折、蛮族の邑で家庭を持つ元・女部下とまさかの再会! 幸せそうな彼女の姿に、セラの心は乙女方向まっしぐらーー!? 恋もバトルも急加速! 世界が広がる第二幕!
タイトルからして、「くっころ」展開(姫騎士が蛮族に負けて、あんなことやこんなこと)かと思いきや、意外や意外で、国ごとの世界観の設定が緻密でたまげました。 ストーリーだけでなく、幕間にある国の設定も記載してあり、著者の力具合がよくわかります。 それだけに、変な先入観もって読んでしまっているのがもったいない。 王道ファンタジーとしても十分面白い作品です。 また、ラブコメ的というほど、おちゃらけてもおらず、捕らえられた姫騎士セラフィーナと蛮族の族長ヴェーオルと純愛にも近い恋愛として展開されるのも面白い。 ヴェーオルが特に真っ直ぐな思いをぶつけて、セラフィーナがたじたじなのもあるあるで良いのですが、セラフィーナも騎士だけあって強く、そして誇り高い様も良いんですよね。 特に、敵国でありながら弱いものを助ける騎士道精神で、竜を前に民を守ろうとする姿はグッときました。 ただ守られるだけではない信念もって戦う女性キャラって、というか男女問わずそういうキャラはカッコいいすよね。 二人の関係だけでなく、巻を追うごとに世界観も広くなっていって、その点も今後注目な作品です。