戦に敗れた最強の女騎士を待ち受けていたのは、敵国“蛮族王との結婚”だった!? 元敵同士の二人が紡ぐ本格異世界婚姻譚、開幕!! 「私の幸せって…何だ?」。マルシアス司祭を魔物から救い出し、一息ついたセラとヴェーオル。そこで明かされたのは、西方列聖の女騎士・ウィスタレシアが蛮族王・ヴェーオルの母であるという衝撃の事実だった! そして彼女と再会し、勧められたのは“己の幸せを探すこと”――。真っ直ぐなヴェーオルの想い。地に根ざした快い東方の心意気。変わっていく気持ちと、新たに生まれる目標。物語、そしてセラの心が大きく動く第三幕!!
タイトルからして、「くっころ」展開(姫騎士が蛮族に負けて、あんなことやこんなこと)かと思いきや、意外や意外で、国ごとの世界観の設定が緻密でたまげました。 ストーリーだけでなく、幕間にある国の設定も記載してあり、著者の力具合がよくわかります。 それだけに、変な先入観もって読んでしまっているのがもったいない。 王道ファンタジーとしても十分面白い作品です。 また、ラブコメ的というほど、おちゃらけてもおらず、捕らえられた姫騎士セラフィーナと蛮族の族長ヴェーオルと純愛にも近い恋愛として展開されるのも面白い。 ヴェーオルが特に真っ直ぐな思いをぶつけて、セラフィーナがたじたじなのもあるあるで良いのですが、セラフィーナも騎士だけあって強く、そして誇り高い様も良いんですよね。 特に、敵国でありながら弱いものを助ける騎士道精神で、竜を前に民を守ろうとする姿はグッときました。 ただ守られるだけではない信念もって戦う女性キャラって、というか男女問わずそういうキャラはカッコいいすよね。 二人の関係だけでなく、巻を追うごとに世界観も広くなっていって、その点も今後注目な作品です。