あらすじポールダンサーとしてステージに立ってきた大学生の上崎華(うえさきはな)と競技としてのポールスポーツに取り組んできた高峰花凛(たかみねかりん)。ポールスポーツの世界に飛び込んだ華と花凛の後輩の双葉(ふたば)のポールスポーツ対決の勝敗の行方は!? そして舞台はポールスポーツの大会へ!! TVアニメ化もされた『はるかなレシーブ』の著者が描くポールダンス青春譚、完結巻!
前作『はるかなレシーブ』では、カメコやマスコミのせいでエロスな視線で見られがちなビーチバレーを、躍動する肉体の迫力と明るいロマンシス群像劇で性的な視線を打ち消し、感動的な王道スポーツ漫画として結実させた如意自在先生。 新作『シルバーポールフラワーズ』はそこから更に踏み込んで、「ポールダンス」という性的なショーを想起させる物を扱い、官能と競技の狭間にあるズレと共通する物、アンビバレンツな感情を描いている。 ★☆★☆★ ポールダンスを、従来のエロス漂うショーとして舞う女性と、「ポールスポーツ」という競技として取り組む女性。この二人が出会う事から、物語は始まる。 お互いを「冒涜だ」と感じ、反発する二人はぶつかり合う。それぞれの思い入れが語られる事で、どちらにも共感出来る私の心は宙吊りのまま、話が進んで行く。 古く妖しい劇場で、プライドを賭けて踊り合う二人。その一瞬の邂逅は互いに影響を与え、またそれぞれの「戦い」に戻っていく。方や競技の高みに、方や本当の誇りを取り戻す為に。 2巻以降、どうなるのだろう……先が見えない。どちらの場にも二度と立つ事は無さそうな、二人はどう関わっていくのか。 それぞれの道を描きながら、心の強敵(と書いて友)的な関係性が紡がれていくのか……もしかしたら強い反発の分、焼けつく様に熱いロマンシスが、展開されるのかも知れない(1巻時点での予想です)。