あらすじ

武田晴信(たけだ・はるのぶ:のちの武田信玄)との幾度かの戦を経た長尾景虎(ながお・かげとら:のちの上杉謙信)は、房州の里見氏(さとみし)が北条氏康(ほうじょう・うじやす)の侵略を訴えたことを契機に、関東出陣を決意し挙兵する。その頃、武田晴信は川中島に本陣をすえ、越後侵入を果たそうとしていた。怒りに燃える景虎の元にやってきた宇佐見定行(うさみ・さだゆき)は、景虎の想い人・乃美(なみ)が重篤であることを伝える。乃美の元を見舞った景虎は「今度の戦いで武田軍を討ち破り、必ずそなたを迎えに来る!!」と固く約束を交わすが……!?謙信と信玄、雌雄を決する一大決戦、川中島の戦いが今、始まる!!海音寺潮五郎の傑作歴史小説を原作に、躍動感溢れる筆致でコミカライズした石川賢の『天と地と』、ここに完結。
天と地と(1)

老齢の越後守護代・長尾為景(ながお・ためかげ)と、若く美しい妻・袈裟(けさ)の間に生まれた男児・虎千代(とらちよ)。子供らしからぬ胆力、鋭い眼力をもつ虎千代こそ、後に軍神と謳われた上杉謙信(うえすぎ・けんしん)その人であった!虎千代の父である為景は、顔つきが自分に似ていないこと、袈裟が嫁いでから懐妊するまでの期間が短いことなどから「あの子は俺の子ではないかもしれんな」と疑心に捉われていた。そして、この疑心は虎千代が武将として優秀に育てば育つほど為景の心中に暗雲を呼ぶ……。親子兄弟が殺し合う下剋上の戦国時代において、義を貫き通した上杉謙信の物語が今はじまる!

天と地と(2)

越後守護代・長尾為景(ながお・ためかげ)が栴檀野(せんだんの)の戦で戦死した。為景の後を継いだ晴景(はるかげ)は、一時の安寧にあぐらをかいて悪政を敷き、その姿に愛想を尽かした家老・照田常陸介(てるだ・ひたちのすけ)は謀反を企てる。為景の力でひとつにまとまっていた越後に、戦乱の火がくすぶり始めた……。長尾景虎(ながお・かげとら:のちの上杉謙信)は、智将・宇佐美定行(うさみ・さだゆき)のもとでその牙を研ぎ、父・為景の仇を討つタイミングを虎視眈眈と狙っていた……!

天と地と(3)

戦に連勝し、若き長尾景虎(ながお・かげとら:のちの上杉謙信)の名声は越後に轟きはじめる。守護代の地位に固執する、景虎の実兄・晴景(はるかげ)は、景虎の名声が高まるごとに不安を覚え、ついに景虎討伐の命を出す!実兄との戦で景虎が目指すのは、生まれ故郷の春日山城。かつて、父・為景(ためかげ)により城を追い出された景虎は、“虎”となって春日山城に舞い戻る!!

天と地と(4)

三条を討ち破り、ついに越後を平定した長尾景虎(ながお・かげとら:のちの上杉謙信)。天文19年(1550年)、足利義晴(あしかが・よしはる)将軍の来書により、名実ともに越後国主、越後守護となる。そのころ、上州平井の関東管領・上杉憲政(うえすぎ・のりまさ)は小田原の北条氏康(ほうじょう・うじやす)と戦を行い、上杉方が惨敗し、城まで攻めつけられているという噂が流れていた。関東管領・上杉憲政自身が景虎の元を訪れ、管領職を景虎に譲ると言うが……。戦国屈指の名勝負を繰り広げた、上杉謙信と武田信玄が初めて相まみえた場面も描かれた第4巻。

天と地と(5)

武田晴信(たけだ・はるのぶ:のちの武田信玄)との幾度かの戦を経た長尾景虎(ながお・かげとら:のちの上杉謙信)は、房州の里見氏(さとみし)が北条氏康(ほうじょう・うじやす)の侵略を訴えたことを契機に、関東出陣を決意し挙兵する。その頃、武田晴信は川中島に本陣をすえ、越後侵入を果たそうとしていた。怒りに燃える景虎の元にやってきた宇佐見定行(うさみ・さだゆき)は、景虎の想い人・乃美(なみ)が重篤であることを伝える。乃美の元を見舞った景虎は「今度の戦いで武田軍を討ち破り、必ずそなたを迎えに来る!!」と固く約束を交わすが……!?謙信と信玄、雌雄を決する一大決戦、川中島の戦いが今、始まる!!海音寺潮五郎の傑作歴史小説を原作に、躍動感溢れる筆致でコミカライズした石川賢の『天と地と』、ここに完結。