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学校、公園、寺社、裏山、路地裏‥‥。 気にもとめなかった日常の風景と、その中に潜む”非”日常。夏空の下で、不思議な探検が待っている――。 始まりは本当に些細なことだった。夏休みをひかえたある日、ちろり達は取り壊されたお社「チロリン堂」の破片を運び出し自分たちの手で「お社」を作る。そんな些細な遊びをきっかけにして、いつもと違う、ほんの少し不思議な夏が始まった――。
学校、公園、寺社、裏山、路地裏‥‥。 気にもとめなかった日常の風景と、その中に潜む”非”日常。夏空の下で、不思議な探検が待っている――。 始まりは本当に些細なことだった。夏休みをひかえたある日、ちろり達は取り壊されたお社「チロリン堂」の破片を運び出し自分たちの手で「お社」を作る。そんな些細な遊びをきっかけにして、いつもと違う、ほんの少し不思議な夏が始まった――。
小学生達が撤去された古いお社を復活させると、スマホの中に神様が!冒険大好きな子供達だが、それから次第に不思議な現象に巻き込まれる……というお話。 妙に女子のパンチラが多くてちょっと辟易するものの、元気な子供達の冒険と民話・伝承の世界とがリンクする、スリルと知的トキメキが楽しい。 ……物語だけ読んでいると、ここ迄の感想になるのだが、この場所が(参考文献等から)山口県宇部市が舞台かも、と考えだすと、急に奇妙な世界観が立ち現れる。 既に埋め立てられている筈の「鍋島」が、古い姿のまま存在するという「時空の歪み」の中で、不思議な者との出会いが描かれる。また、保存された古い石畳や、地図に見当たらない?神社で、やはり時空の歪む現象が起こる。時折現れるブリキの看板のある街並や古民家など、時代が混在しているらしき世界観が見て取れ、郷土資料を調べてみたくなる。 スマホと古い神様の同居という「歪み」に始まり、様々に今と昔が混在し、古い「時層」が剥き出しになる町で、民謡を歌ったり巫女になったりと、色々な形で古い時と触れる小学生の冒険は、知的好奇心に訴えるものがある。