あらすじサトミは家の文房具店を手伝う小学6年生の女の子。父親が引きこもりのため、実質ひとりでお店をきりもりしている。そこに降ってわいた店の取り壊し話。少しだけどお店を頼りにしてくれるお客さんがいる。いなくなっちゃったお母さんの帰る場所も守らなくちゃいけない!サトミは父からお店を譲り受けて営業を続けることに。売れないマンガ家さんや元気な女子大生。初めての恋心を薄い胸に秘めながら、サトミのお店、本日も営業中です。
父親がダメ人間で母親が失踪、小学生の子供がお店を守って…私の世代なら『じゃりン子チエ』を思い出す設定のお話。ただ、こちらは現代風で父親はPC三昧の引きこもり、主人公はチエちゃんならぬサッちゃん。誰が仕入れたのか感性を疑う商品だらけの文具店を、帰ってくると信じている母親の居場所を残すために、またこんなお店でも必要としてくれるお客さんのために、健気に切りもりしています。大人の世界にさらされ傷つきながらも、漫画家のお兄さんへほのかな恋心を抱き、少し背伸びしてひとりで頑張るという、肩の凝らない良作。ですが、読んでいてちょっとムズムズしてしまいました。私、変な趣味があるのではないかと。いえ、ロリ…ではなくこの舞台の小道具である文具に萌えてしまっていたのです。ロケットペンシル、持ってました(作者の勘違いは巻末で修正)。人頭鉛筆削りや10徳ノート、欲しいです。家には変わった色の色鉛筆や奇妙な匂いの消しゴムがあるし、どうやら私は文具オタクなのか…。これから何が出てくる? そんな意味でも今後に期待します。