人類の大半が死に絶えた終末後の世界。仕立て屋の羽繕(はづくろ)は密かに想いを寄せていた護堂(ごどう)を目の前で亡くす。「命を与える魔法のミシン」で縫い上げた人型「ゴドー」と彼の魂を探す旅に出た羽繕の側には、いつしか幽霊の「護堂」も寄り添っていた。だが羽繕は悪魔に襲われ、庇ったゴドーは粉砕されただの布と綿になってしまう。失意の中、残った右腕を解き縫い直した「赤子のゴドー」と再び旅に出る羽繕だが、お供の黒猫の正体が実は大天使殺しの異名を持つ地獄の皇太子、しかも羽繕に求愛したため世界に88ヶ所の裂け目が生じたと判明し!?