あらすじ

ドレス・スカイ再構築のために、ロイヤルカストラートを占拠したガーメント。新しいプログラムに書き換えられてしまえば、世界は彼の手中に!それを阻止するため、ファーガスとジェニファーはトップブランドの連合軍を率いてガーメントを追うのだった。だが、そこで目にしたのは、カストラートの人達の神経繊維で作ったドレス・スカイに使われると思われる巨大な糸の繭……。ガーメントの元へと急ぐ一行だが、数々のトラップが仕掛けられファーガス達は次々と仲間を失っていく。さらに、彼の第二の師であるトーガは、消された記憶を取り戻しガーメントに協力しようとしていた。
CLOTH ROAD 1

コンピュータの最小化が進み、ケーブルは糸のように基盤は紙よりも薄くなり、コンピュータは服となった。ファーガスはトップデザイナーになることを夢見て仕立て屋で見習いをしていたが、突然親方のグスタフが倒れ、莫大な治療費が急遽必要となった。絶望するファーガスの前に現れた、自分と双子だという少女・ジェニファーと組んで、リングバトル“WAR-KING”に出場し、優勝賞金を獲得しようと試みるのだが。

CLOTH ROAD 2

自分たちの両親の手がかりとなる一枚の布を調べるため、糸の町・ビスコースにやってきた双子のファーガスとジェニファー。そこで出逢ったウルトラスーパーグレートなムーリネ姉妹にのせられ大切な布を賭けた勝負を“WAR-KING”ですることになってしまった。デザイナーとモデルの信頼性が問われる勝負コンビネーション抜群の姉妹に、ふたりはどう闘う!?

CLOTH ROAD 3

憧れのトップブランド、ロイヤルカストラートに到着したファーガスとジェニファーの一行。しかし、手荷物検査をされたファーガスは両親の手がかりである布を取られたうえ、カストラートに捕らわれる。彼を助けようと、ジェニファーはこの街で唯一の知り合いとなったトップモデルのジューン・メイを訪れるのだが……。そのころ軟禁されたファーガスはある男に会い両親の秘密を知ることになる!!

CLOTH ROAD 4

世界のトップブランドが集結し自国の技術を競う“クロスロオド”が開催される。ジューン・メイは変わりゆくカストラートに訣別を決めジェニファーはファーガスを迎えにカストラート本社へ向かう。そこに突然現れたのは天才デザイナー、ガーメント!母を救おうと必死でデザイナーとしての技術を積み上げたファーガスだったが天才である父の前に努力は無駄となってしまう。絶望の淵から彼を救い出すのは……。

CLOTH ROAD 5

母が支えていた惑星の服が父の開発した新素材によって再構成され、ロイヤルカストラートは崩壊してしまった。ファーガスたちはトップブランドのひとつ、ユニイズムの招待を受け滞在することに。そこに現れたのはトップデザイナーである、チャコ・ペンシル。彼女はファーガスを奴隷にしようとし、カピスルはジェニファーにプロポーズ!ロイヤルカストラートを崩壊に追いやった父、ガーメントはニケを乗っ取り大暴れ!!

CLOTH ROAD 6

ユニイズムに囚われたファーガスとジェニファーは威信をかけたトライアスロンに挑む。闘う服ではなく、実用性を重視したデザインを手掛けるのは初めてのふたり。トップモデルのカピスルとトップデザイナーのチャコも手強いがこの勝負に勝たなければ母を救うことはできない!その間にも天才デザイナーのガーメントは新たなる逸材モデルと出会い、世界再生へ向け、動き出そうとする。しかしそれが達成されれば、世界はガーメントが支配することに!?

CLOTH ROAD 7

ポシェットの姉だという式部は、源内というカラクリ職人のもとへとファーガスとジェニファーを案内する。彼女は世楽に漂着した幼きガーメントを引き取り、育てた人物。人間国宝である源内の最高のカラクリ技術と今まで持っていた西洋の技術を融合させ新たな領域に踏み込んでしまったガーメントは、その危険な才能を目覚めさせてしまったのだという。そしてそのガーメントは、今、まったく新しい最新コレクションを披露、チャリオットの無敵艦隊を次々と倒していくその新作とは、誰も見たことがない驚異のドレスだった!

CLOTH ROAD 8

ガーメントの新作ドレスを着たモデルたちを次々と倒すメイに触発されジュリエットが戦場に飛び出した。彼女に着せられたドレスは天才デザイナー、ガーメントの自信作、その名も“オーロ・マリアベータ”。性能の高いドレスを着こなせないジュリエットとトップモデルの最高峰、ジューン・メイの戦いが始まった!遅れをとりつつもニケに到着したファーガスとジェニファーたち。彼らが目にしたのは、二度と目にしたくなかった惨劇の跡、そしてトップモデルの無惨な姿……。ファーガスは父を超えるため、ついに心を決める!

CLOTH ROAD 9

世界を支配していたファッションブランドは、宇宙より降り注ぐ有害光線から星を守るため、“ドレス・スカイ”と呼ばれる服を星全体に着せた。ガーメントはドレスの再構築を企てるが、実行されれば星の天井は崩れ、多くの地域に被害が出てしまう。ファーガスとジェニファーは彼を追って、ドレス・スカイの中心部があるカストラートに向かった。ガーメントは、かつて“師”と呼んだデザイナーのトーガに再会し、彼から奪った記憶を戻す。トーガの中に蘇るのは、ドレス・スカイ計画に関わる全ての情報と、ある少女との出会い……。

CLOTH ROAD 10

ドレス・スカイ再構築のために、ロイヤルカストラートを占拠したガーメント。新しいプログラムに書き換えられてしまえば、世界は彼の手中に!それを阻止するため、ファーガスとジェニファーはトップブランドの連合軍を率いてガーメントを追うのだった。だが、そこで目にしたのは、カストラートの人達の神経繊維で作ったドレス・スカイに使われると思われる巨大な糸の繭……。ガーメントの元へと急ぐ一行だが、数々のトラップが仕掛けられファーガス達は次々と仲間を失っていく。さらに、彼の第二の師であるトーガは、消された記憶を取り戻しガーメントに協力しようとしていた。

CLOTH ROAD 11

ガーメントの欲望溢れる計画で、惑星の大半が死滅してしまうことに!それを阻止するために、彼の子供であるファーガスとジェニファーは非力でありながらも、さまざまな手で立ち向かう。これまで出会ってきた仲間たちから得た、たくさんの技術や知識を駆使しながら。だが、二人が選んだ最後の手段とは……!?長い間、自らの身体を犠牲にし、ドレス・スカイのコアとなり、惑星を守っていたアルジャンヌは、ついに最後の選択をする。天才的デザイナーで夫のガーメントか、それとも非才なファーガスとジェニファーか。そして子供たち二人の長い旅は終わる……。

CLOTH ROAD

「キルラキル」が好きな方におすすめです

CLOTH ROAD 倉田英之 okama
兎来栄寿
兎来栄寿

最初に出会った時は、その圧倒的なデザインセンス・線の美しさに惚れ込みました。 作画を担当しているOKAMAさんは、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』で使徒やセントラルドグマなどのデザインもされている方。 その緻密な筆致により描かれる服飾や背景美術が、唯一無二の世界観を生み出しています。 独特のアーティスティックなセンスが一コマ一コマに行き届いて、画集のような楽しみ方もできる漫画です。個人的には、背景を眺めているだけでも十分に楽しい作品。 きっとこの世界が好きだけれど未読という人は、まだ世の中に一杯いる筈! 是非ともそういった人に届いて欲しいと願います。 又、キャラクターもとても魅力的。 元々女の子の可愛さに定評のある方で、事実可愛いのです。 でも、それだけではありません。格好良いおっさんだって沢山出て来ます。 感情が迸ってくるようなキャラの表情も良いですし、躍動感溢れる構図は画面の外まで突き抜けて来るかのよう。 そして、ビジュアル面のみならず物語自体も実に面白いです! 脚本を担当するのは、今季では『東京レイヴンズ』『サムライフラメンコ』に携わっていた倉田英之さん。 『R.O.D』で紙を用いて戦う少女を描いていましたが、今作では服で戦う少女を巧みに熱く描きます。 ここで、ちょっとばかりその独特な作品世界を説明しましょう。 ナノテクノロジーが極限まで進化し、産業革命ならぬ「繊」業革命が起きた時代。 ケーブルは繊維に、基板は布になり、コンピューターは服と一体化。 世間では服を作る「デザイナー」と、服を着こなす「モデル」が脚光を浴びる中、生まれてすぐ捨てられた双子、デザイナーの少年ファーガスとモデルの少女ジェニファーを中心に物語は進みます。 この世界のモデルは、デザイナーの作った服の驚くような機能を駆使してバトルを行う存在でもあります。モデル同士のバトルは人気の競技であり娯楽。 生き別れの双子が再会し、ファーガスが作った服をジェニファーが纏って戦っていくという大筋です。 そして、物語が進むにつれ話はどんどんスケールアップ。 それこそキルラキルばりに、星をも巻き込む物語になって行きます。 ユニークな要素が沢山詰まった作品ですが、大筋を辿れば実は正統派ビルドゥングスロマン。 少年と少女の成長、人と人との暖かい絆、熱い絆を感じられるようになっています。 この部分がしっかり創られているからこそ、私としても多くの人に呼んで貰いたいと思うのです。 『クロスロオド』が素晴らしいのは、全11巻で11巻が一番面白いということ。 序盤はもしかしたら乗り切れないものを感じるかもしれません。 が、尻上がりに面白くなっていきますので安心して下さい。 とりあえず、まずは4巻まで読んでみるのが良いでしょう。 最初は三流・二流モデル達がメインですが、トップモデルやトップデザイナー達のキャラ立ちぶりは凄まじいです。 中でもメイ様と呼ばれるモデルは非常にカリスマ性が高く、格好良いです。 『クロスロオド』自体名言が頻出する作品ですが、特にメイ様は名言製造機と呼んでも良いほど。 少々引用すると…… > どこで咲こうと花の美しさは変わらないよ   > シャクナゲの花言葉は『威厳』『荘厳』君たちにはないものだ  > そしてもう一つは『危険』 君たちが今味わっているものだ   > 隣で世界が滅亡しても気づかない鬼の集中モードにいつでも入れるように   > 風まかせかい? ……違うね  > 勝利の風は自分で吹かせるものだっ! ああ、メイ様格好良いィッ! ちなみに、一番好きな名言はここでは伏せておくので、是非実際に読んで昂って下さい。 一部キャラの激しい狂気や、ページを捲った次の瞬間に起きる衝撃という意味では『HUNTER×HUNTER』を思い出す位の内容です。 ジェットコースター的な展開が好きな方にもとてもお薦めです。 『クロスロオド』の華やかな世界と凄絶なバトルシーンも、アニメで観てみたいなぁ…… この精緻さを動画でやるのは非常に大変だと思いますが、その分創り上げてしまえばアニメ史に刻まれる作品になると思うので、こっそり期待しています。