あらすじ目が見えない父を扶養する沈清(シン・セイ)。そんな彼女の前に美しい大臣の婦人が現れ、助けてあげる。果たして彼女の狙いは…?古典説話を現代的に再解析し、女性たちだけの感受性あふれるドラマと華麗な作画で完成されたグローバル話題作!
作品情報著者seriarrow_forward_ios著者biwanarrow_forward_iosカテゴリ女性マンガarrow_forward_ios出版社piccomicsarrow_forward_iosレーベルその他arrow_forward_iosタグ韓国
あらすじ目が見えない父を扶養する沈清(シン・セイ)。そんな彼女の前に美しい大臣の婦人が現れ、助けてあげる。果たして彼女の狙いは…?古典説話を現代的に再解析し、女性たちだけの感受性あふれるドラマと華麗な作画で完成されたグローバル話題作!
韓国の百合マンガと聞いて読み始めた本作。恐ろしさと怒りに最初から最後まで、体を震わせながら読んだ。 人の「悪」が次々と炙り出される。恐ろしいのは、一見いい人が「悪」に反転してゆく描写。頼りたい人、愛されたい人から無辜の市民まで自己中心的で醜い心、それを悪びれもしない様が次々と露呈し、主人公の絶望感が共有される。 そうして描かれる「悪」とは、家父長制の中で生じる歪み。 男の自尊心を守るために、そしてイエのために自己を消し、イエに守られるために反目さえする女たち。社会で押しつけられる息苦しい女性像に、逃げ場なく従う女たちの無力感にやるせなさを覚える。 そんな社会を生きる、老大臣の若すぎる後妻「奥様」は物乞いの少女と出会う。 物乞いの少女に豊かさと女性らしさを伝える「奥様」は、社会常識から少し自由な物乞いに闘う気力と自由を貰い、二人は次第にイエの中で共闘を始める……と書くと綺麗だが、実は二人の心中はかなり複雑。でもその複雑さが、相手への純粋さへと次第に変わる様子は、間違いなく百合。 閉塞感溢れる社会で、二人に明るい未来が待っている気がしない。それでも、先を見たくてページを縦スクロールする手が止まらない。そして怒涛の展開の末、訪れる感慨に……そして番外編の意外すぎる楽しさに、ようやく安堵のため息をつくことができた。