あらすじ

看病に来てくれた豊を感情に任せて追い返したことを後悔し、豊が忘れていったスマホを前に一人悶々とする鈴。タイミング悪く鳴った電話に思わず出てしまうが、相手は豊の兄で「鈴の知る豊」とは違う一面があることを知り……。進んでは戻る二人の関係の行方はいかに。
小春びよりに灰が咲く(1)

なんの変わり映えもせず、ただ毎日を淡々とこなしていた秋穂は上司の計らいで映画館へ行くことに。両隣に誰もいない席を選び快適に映画鑑賞に耽ける秋穂の隣に、ポップコーンを二つ抱えた豊が現れる。席の間違いや隣で爆睡する豊に辟易し、上映後足早に立ち去ろうとする秋穂だが、階段から落ちそうになり…。

小春びよりに灰が咲く(2)

映画館で最悪の出会いをした秋穂と豊。しかも豊がお得意先である鳩宿の親戚だとわかりさらに気分が曇る。そんな秋穂の気持ちを置き去りにし、鳩宿の女将さんは夕食に誘い、食卓を共にする。晩酌中に盛大に酒を被った秋穂に着替えを貸そうとした豊は、その体にある火傷の跡を目にしてしまう。

小春びよりに灰が咲く 3

「勝ったら土地を案内してくれ」といって仕掛けられた腕相撲勝負にまんまと負けた秋穂は、豊と二人で観光ドライブにやってきた。第一印象よりも苦手なタイプでもないのかもしれない。変わらない日々の中におとずれた非日常的な一日に、新鮮さを感じた。豊を家まで送り届けると、「ありがとな」と言って大きな手が頭をなで、秋穂は慌てて豊の元から逃げるように駆け出してしまう。それからしばらく豊は姿を現さなくなってしまい――。

小春びよりに灰が咲く 4

風邪で休んでいた豊に続いて、寝込むほどの風邪を引いてしまった秋穂。それを聞きつけて看病におとずれた豊は、ひょんなことからそのまま秋穂の家にお泊りすることに。穏やかに同じ食卓を囲み、気づけばお互い知らないままだった連絡先も交換し、それぞれがそれぞれにときめいてしまう瞬間もあったりして、今までにないいい雰囲気になる二人だったが、豊の何気ない行動に秋穂の態度が一変してしまう。

小春びよりに灰が咲く 5

看病に来てくれた豊を感情に任せて追い返したことを後悔し、豊が忘れていったスマホを前に一人悶々とする鈴。タイミング悪く鳴った電話に思わず出てしまうが、相手は豊の兄で「鈴の知る豊」とは違う一面があることを知り……。進んでは戻る二人の関係の行方はいかに。