あらすじ死んだ夫のあとを受け、念願の刑事となった紅谷留美。彼女が配属された東都警察署は、『羅生門』の異名を持ついわくつきの署だった。赴任早々、警察署の前でオデン屋を営む刑事課長・吉見や、そのオデン屋で食い逃げを働く警部補・黒田など、タダモノでない男たちが留美を迎える。翌日、コンビを組む黒田と共に、窃盗事件の現場へ出向いた留美は……。
「2年間くらい一緒に昼食ってた同僚の嫁の話が面白くて好きだったんだけど、嫁も彼女もいないって他の人から聞いて仕事が手につかない」というまとめを読んでたら、その中に「PS-羅生門-みたいだな」というコメントがあって気になって1巻を読んでみた。 https://togetter.com/li/1748063 とにかく絵がメチャクチャうまい!!キャラデザもコマ割りも演出もすごく良くてアニメ映画を観てるみたいな格好良さがあって、現代が舞台のはずなのになぜか近未来感がする。 羅生門と呼ばれる署は、警察官としてどころか一般人として社会不適合な人間ばかりで構成されている。 借金がやめられない男、死んだ息子の死に苦しみ続けている男……。 普通だったら集団から排除されてしまうような人間たちが、受容されているところが本当に懐深くて好き。 ハッキリ言って長所と短所を比べると遥かに短所(とそれによって周囲にかける迷惑)は大きいんだけど、それをみんなが全く気にせず飲み込んでいるところがいい。 こういうそれぞれが好き勝手に生きて、それを互いに受け入れあってるのを見るのは気持ちがいいですね。 1話ごとにそれぞれの事件が解決するショートショートスタイルなのも読んでて楽しい。 読んでよかった。なんで今までこの作品のこと知らなかったんだろう。