あらすじ

つげ義春、「ガロ」初登場の『噂の武士』をはじめ、『チーコ』『李さん一家』『紅い花』など、珠玉の短編を収録!! 〈収録作品〉『噂の武士』『西瓜酒』『運命』『不思議な絵』『沼』『チーコ』『初茸がり』『古本と少女』『手錠』『通夜』『蟻地獄』『山椒魚』『李さん一家』『峠の犬』『海辺の叙景』『紅い花』『西部田村事件』
つげ義春大全 第一巻 白面夜叉 涙の仇討
江戸時代前期、将軍徳川綱吉時代に行われた「生類憐みの令」を題材にした作品で、悪法に苦しむ人々を救う謎の使者白面夜叉の活躍を描いた単行本デビュー作『白面夜叉』。不慮の死を遂げた恩師の仇を討つため、苦難の道を歩む剣士の姿を描いた『涙の仇討』。亡き父を尋ね歩き、数奇な運命に巻き込まれた少女を描いた『愛の調べ』。長編三作を収録。若き日のつげの、漫画への情熱がうかがえる力作群。
つげ義春大全 第二巻 犯人は誰だ!! 暁の非常線
≪収録作品≫「犯人は誰だ!!」「最初期四コマ、1コマ集」「青空浪人」「とんちんかんちゃん」「凸凹運ちゃん」「がんこなお父さん」「のら犬物語」「ほえる洞窟」「港のリリーちゃん」「はしれ!ぼろバス」「吹雪の中の顔」「犯人はだれ?」「暁の非常線」「七つの墓場」「底なし沼」「どろぼうと少年」「狂人屋敷の謎」
つげ義春大全 第三巻 戦雲のかなた 片腕三平
つげ義春貸本漫画の真骨頂、熱血柔道もの『片腕三平』、幕末を舞台にしたスピード感あふれる時代もの『戦雲のかなた』。北海道の伝説を元にした、悲しくも心あたたまるロマンティック作品『熊祭の乙女』など、長編三作品を収録。
つげ義春大全 第四巻 ゆうれい船長 不思議な手紙
≪収録作品≫「ゆうれい船長」「西洋館のひみつ」「恐怖の終列車」「船虫小僧の冒険」「のろわれた仮面」「のろわれた刀」「三人の逃亡者」「おばけ煙突」「ある一夜」「不思議な手紙」「うぐいすの鳴く夜」「クロ」「手錠」「鉄路」
つげ義春大全 第五巻 剣心一路 幕末風雲伝
ヒューマニズムあふれる、熱血時代マンガ「剣心一路」、幕府側と倒幕派の争いを描いた、坂本龍馬も登場する「暁の銃声」、卓越したストーリーと画力に磨きがかかる「幕末風雲伝」の傑作時代長編三篇を完全収録!!
つげ義春大全 第六巻 生きていた幽霊 恐怖の灯台
〈収録作品〉若木書房から刊行されたオムニバス作品集『生きていた幽霊』、謎が謎をよぶ傑作『地獄への招待』『四つの犯罪』、長編『恐怖の灯台』を収録。貸本マンガ全盛の頃に描かれた、つげ義春のもうひとつの魅惑の世界。
つげ義春大全 第七巻 墓をほる影 妖刀村正
〈収録作品〉 『どくろの秘密』『賭』『親分』『墓をほる影』『砂漠』他、武蔵秘話シリーズ1『指斬り剣士』、武蔵秘話シリーズ2『その後の武蔵』、武蔵秘話シリーズ3『妖刀村正』、武蔵秘話シリーズ4『盲刃』、武蔵秘話シリーズ5『一番首』、武蔵秘話シリーズ6『船島余話』等、11篇を収録。
つげ義春大全 第八巻 忍者秘帳1 忍者秘帳2
つげ義春唯一の長編劇画シリーズ『忍者秘帳』の1巻と2巻を収録。当時人気だった白土三平の『忍者武芸帳』の影響を受けながらも 独自の境地を描いた、つげ義春流のエンターテインメント作品。
つげ義春大全 第九巻 忍者秘張3 忍者秘張4
貸本劇画末期の長編シリーズ『忍者秘帳』の第3巻と第4巻を収録。発表当時、白土三平の『忍者武芸帳』よりも残酷な時代劇があると 囁かれた、つげ義春の厭世観とニヒリズム漂う異色作。怪作『忍者くん』も併せて収録。
つげ義春大全 第十巻 古本と少女 腹話術師
〈収録作品〉『殺し屋』『古本と少女・初稿』『腹話術師』『老人の背中』『灼熱の太陽の下に』『ホワイブダイス』『四人の素人』『非情』『忍者狩り』『怒れる小さな町』『あの佛像をねらえ!』等、11編を収録。
つげ義春大全 第十一巻 女忍 鬼面石
〈収録作品〉 『穴』『鬼面石』『一発』『バックミラーの謎』『落武者』 『女忍』『月姫さま』『戦国悲話』『なぜ殺らなかった』 『見知らぬ人々』等、珠玉短編10篇を収録。
つげ義春大全 第十二巻 野盗の砦 流刑人別帳
〈収録作品〉 『野盗の砦』『狂った忍者』『忍びの城』『流刑人別帳』 つげ義春の貸本末期に発表された“残酷帳シリーズ”(東京トップ社) の四編を収録。内、『野盗の砦』(1963)と『狂った忍者』(1963)は、初復刻となる。本大全中、激レアの一冊。
つげ義春大全 第十三巻 上忍下忍 一刀両断
『上忍下忍』『忍者絶命』『一刀両断』 貸本マンガ界末期にあって、燦然と輝きを放つ長編時代劇画 “残酷帳シリーズ”。本巻は、その中でも人気の高い『上忍下忍』(1964) 『忍者絶命』(1964)『一刀両断』(1965)の長編三編を収録。
つげ義春大全 第十四巻 右舷の窓 死にたい気持ち
〈収録作品〉 『ねずみ』『目には目を』『右舷の窓』『行ったり来たり』 『不思議な手紙』『女忍』『死にたい気持・ノンコ&甚六シリーズ1』 『下町の唄・ノンコ&甚六シリーズ2』『兄貴は芸術家・ノンコ&甚六シリーズ3』
つげ義春大全 第十五巻 紅い花 李さん一家
つげ義春、「ガロ」初登場の『噂の武士』をはじめ、『チーコ』『李さん一家』『紅い花』など、珠玉の短編を収録!! 〈収録作品〉『噂の武士』『西瓜酒』『運命』『不思議な絵』『沼』『チーコ』『初茸がり』『古本と少女』『手錠』『通夜』『蟻地獄』『山椒魚』『李さん一家』『峠の犬』『海辺の叙景』『紅い花』『西部田村事件』
つげ義春大全 第十六巻 ねじ式 ゲンセンカン主人
つげ義春の代表作『ねじ式』、『ほんやら洞のべんさん』『ゲンセンカン主人』『やなぎ屋主人』『リアリズムの宿』等、60年代後半から70年代前半に発表された伝説の作品、15編を収録。 <収録作品>『長八の宿』『二岐渓谷』『オンドル小屋』『ほんやら洞のべんさん』『ねじ式』『ゲンセンカン主人』『もっきり屋の少女』『蟹』『やなぎ屋主人』『夢の散歩』『夏の思いで』『下宿の頃』『大場電気鍍金工業所』『懐かしいひと』『リアリズムの宿』
つげ義春大全 第十七巻 必殺するめ固め 義男の青春
《収録作品》「事件」「枯野の宿」「義男の青春」「庶民御宿」「退屈な部屋」「夜が掴む」「アルバイト」「コマツ岬の生活」「外のふくらみ」「必殺するめ固め」「ヨシボーの犯罪」「魚石」
つげ義春大全 第十八巻 窓の手 ある無名作家
〈収録作品〉 『窓の手』『会津の釣り宿』『日の戯れ』『少年』 『近所の景色』『雨の中の慾情』『散歩の日々』 『ある無名作家』『池袋百点会』『隣りの女』
つげ義春大全 第十九巻 無能の人 別離
〈収録作品〉 無能の人シリーズ1『石を売る』、2『無能の人』、3『鳥師』、4『探石行』、5『カメラを売る』、6『蒸発』『やもり』『海へ』『別離』
つげ義春大全 別巻一(随筆)夢日記 僕の漫画作法 他
〈収録作品〉 『らくがき随筆 自己紹介の巻』『漫画随筆第一章 水洗便所』 『漫画随筆第二回 締め切り日』『漫画随筆第四回 わが貧乏時代』 『期待されない人間像』『デビュー作の家』『デビューの頃』 『我が出帆“恵まれたデビュー”』『三ノ輪』『男の郷愁 会津の老婆』 『旅籠のの思い出』『上州湯宿温泉の旅』『颯爽旅日記』 『東北の湯治場にて』『夢日記』『僕の漫画作法』『断片的回想記』 『犯罪・空腹・宗教』『密航』『自殺未遂』『四倉の生』『万引き』 『クロという喫茶店』『妻のアルバイト』『カメラ商開業未遂』 『最初のひとつ』『いつもと変わらぬ貧乏話』『つげ忠男の暗さ』 『つげ忠男の不運』『苦節十年記』『つげ義春自分史』 『つげ義春詳細年譜』他。
つげ義春大全 第二十一巻 別巻二(随筆)つげ義春日記 貧困旅行記
随筆家としてもファンの多い、つげ義春の『つげ義春日記』 (1983)、『貧困旅行記』(1991)の2編を収録。『つげ義春日記』は、著者側の事情により長らく絶版と なっていた。『貧困旅行記』は、13編の紀行文からなる随筆集。
つげ義春大全 別巻三(イラストレーション・写真)桃源行 つげ義春流れ雲旅
〈収録作品〉 イラストレーション『旅の絵本』『桃源行』『つげ義春流れ雲旅』等。写真『下北半島』『塩釜』『善光寺街道』『秋葉街道』『瀬戸内の旅』 『篠栗霊場』等。
改訂版 ねじ式 つげ義春作品集

改訂版 ねじ式 つげ義春作品集

「ガロ」掲載作を全網羅 「ねじ式」(オリジナル2色バージョン)「噂の武士」(4段組バージョン)他、 65~70年発表の代表作を初出誌サイズで一挙に再現。 単行本未収録を含むカットやエッセイも可能な限り収録し、 単行本により微妙に異なっていたセリフもオリジナル無修正版とした定本的集成。 完全作品リストを始めとする最新版年譜を付した決定版!
試し読み
蟻地獄・枯野の宿(新潮文庫)

蟻地獄・枯野の宿(新潮文庫)

ひどい砂嵐だった。観光客は砂漠の大きな穴にはまり、炎天下、水も食糧も尽きてしまう。そんな極限状況下の人間の本性を暴く「蟻地獄」……。遅筆の漫画家が一計を案じた。郊外に安い土地を買い、せめてのんびりくらしたい、と。だが、現実は彼の夢を許さない。逼迫した漫画家、その小さな挫折を描く「枯野の宿」……。貸本時代の作品を中心に17編収録。懐かしさ溢れるつげ漫画集第三弾!
義男の青春・別離(新潮文庫)

義男の青春・別離(新潮文庫)

真綿で首を締められるような毎日だった。一家七人の経済的支柱として、駄菓子にひとしい貸本漫画を描き続ける責苦。芸術的な漫画を志し焦燥する「義男の青春」。浮気した恋人を恨み、ブロバリンを発作的に飲むが死に切れず、我が身のやりきれなさから滂沱の涙を零す、売れない漫画家の自己憐憫「別離」など14編収録。現実と夢、日常と狂気の領域を融通無碍に往還する、つげ漫画集第二弾。
無能の人・日の戯れ(新潮文庫)

無能の人・日の戯れ(新潮文庫)

漫画家として行き詰まった〈私〉は、他人の目にはろくでなしに映るかもしれない。ろくに働かず稼ぎもなく、妻子にさえ罵られ、奇天烈な空想に耽りながら、無為な日々を過ごしているのだから……。甲斐性のない漫画家の悶々とした日常を描く「無能の人」、競輪場の車券売り場窓口越しに仄かに通い合う夫婦の愛「日の戯れ」など、滑稽かつ哀切な人間存在に迫る〈私〉漫画の代表作12編集成。
ねじ式

ねじ式

超現実を描く『ねじ式』など衝撃の名作集! 不安、緊張、そして心地よい無力感を生む、まさしく「夢」の増殖としか呼びようのない衝撃作『ねじ式』の他、『ゲンセンカン主人』『オンドル小屋』等、つげ世界の精髄を結集した必読の一冊。
紅い花

紅い花

しみじみ変で懐しい、つげ世界に導く1冊! 現実と非日常の間を自在に往き来する融通無碍の「つげ世界」は、読む者のそこはかとない憧憬を誘って止むことがない。永遠の詩情を湛える名品『紅い花』をはじめ『もっきり屋の少女』『二岐渓谷』等を収めた短編集。
ヨシボーの犯罪

ヨシボーの犯罪

▼第1話/ある一夜▼第2話/蟻地獄▼第3話/女忍▼第4話/なぜ殺らなかった▼第5話/ねずみ▼第6話/庶民御宿▼第7話/ヨシボーの犯罪▼第8話/魚石▼第9話/窓の手▼第10話/少年▼第11話/近所の景色▼第12話/ある無名作家 ●登場人物/私(語り手。くぼ地の集落に散歩に行く/近所の景色)。李さん(くぼ地にすむ朝鮮人。大きな雷魚を飼っている/近所の景色) ●あらすじ/うまそうな女か、まずそうな女か…、ピンセットで一センチほどさしてみるとほぼわかる。ピンセットの血を洗う。水の中でピンセットを小さく折り曲げ、手中にかくす。五十歳まで拘禁されたら、青春は、とりもどせない。なんとしてもかくし通さなければ…。いつか夢でみたような、どこかなつかしく残酷な超現実の世界(第7話)。▼私の家のそばに、くぼ地にバラック建ての家が並んだ一角があった。今にも朽ち果ててしまいそうだが自然のぬくもりが感じられる、そんな一角に散歩に出向いてぼんやりと過ごすことが好きだった。そうすることで気持ちが安まるのだった。しかし今、集落は立ちのき問題でゆれていた。そこに住む顔見知りの李さんは、一メートルはある大きな雷魚を飼っていて…(第11話)。●本巻の特徴/深層心理に光をあて展開される、印象的な風景を描いた表題作のほか、人間の欲望が関係性をゆがめていく皮肉な結末の作品群や、日常の中の生活の手ざわりを切り取ってみせる一連の作品など、独自の世界観が表現されている。●その他の登場キャラクター/女忍(第3話)、犬丸入道重勝(第3話)、助佐(第3話)、行商人Kさん(第6話)、私(第8話)、T君(第8話)、グロリア(第9話)、義坊(第10話)、カズ子(第10話)、安井(第12話)、奥田伸一(第12話)、木山君(第12話)●その他のデータ/発表された年・月~ある一夜(1958年12月)、蟻地獄(1960年 4月)女忍(1960年5月)、なぜ殺らなかった(1961年4月)、ねずみ(1965年2 月)、庶民御宿(1975年4月)、ヨシボーの犯罪(1979年9月)、魚石(1979年 10月)、窓の手(1980年3月)、少年(1981年7月)、近所の景色(1981年10月)、ある無名作家(1984年9月) 解説 ~川本三郎(評論家)
生きていた幽霊

生きていた幽霊

1956年に貸本出版社の若木書房の「探偵漫画シリーズ」の1冊として刊行された単行本の完全復刻。「に来た男」「生きていた幽霊」「指をたべた男」「罪と罰」「奇人」の5編を収録した短編集です。それぞれは独立した短編となっており、たんなる謎解きにとどまならい人間心理の闇や不可思議さを巧みな語り口で描いている秀作です。子ども向けに描かれたものですが、大人が読んでも十分味わえる「奇妙な味」の作品集といえます。全作がオリジナルフォーマットで復刻されるのは、今回がはじめてです。付録として、著者の4年ぶりの肉声をおさめたインタビューを収録した小冊子付きです。
四つの犯罪

四つの犯罪

1957年に若木書房の「探偵漫画シリーズ」の1冊として刊行された貸本単行本の完全復刻です。「悪人志願」「覗き見奇談」「運地君の不思議な犯罪」「首」の4編を収録した、当時の貸本としては極めて斬新な描きおろしの個人短編集です。前回、復刻された「生きていた幽霊」とともに、不思議な味わいをもつミステリの佳作となっており、当時、白土三平や関西の劇画グループにも注目された作品です。宿場の逗留客がそれぞれ、奇妙な話を披露する形式で物語が語られてゆき、たんなる謎解きに止まらない人間心理の闇や不可思議さを巧みな語り口で描いています。前回の「生きていた幽霊」に続けて、著者の4年ぶりのインタビューを収録した小冊子付き。