あらすじ

あの時キミと出会わなかったら、こんなに素敵な夏にはならなかった。サクタさんともじくんのひと夏の青春お気楽サイキック宗教法人ハードボイルドボーイミーツガール、後半戦。イノセントでストレンジ、モーニング超期待の新星、田島列島の初単行本作品です。
子供はわかってあげない(上)
水泳×書道×アニオタ×新興宗教×超能力×父探し×夏休み=青春(?)。モーニング誌上で思わぬ超大好評を博した甘酸っぱすぎる新感覚ボーイミーツガール。センシティブでモラトリアム、マイペースな超新星・田島列島の初単行本。出会ったばかりの二人はお互いのことをまだ何も知らない。ああ、夏休み。
子供はわかってあげない(下)
あの時キミと出会わなかったら、こんなに素敵な夏にはならなかった。サクタさんともじくんのひと夏の青春お気楽サイキック宗教法人ハードボイルドボーイミーツガール、後半戦。イノセントでストレンジ、モーニング超期待の新星、田島列島の初単行本作品です。
みちかとまり

みちかとまり

“竹やぶに生えてた子供を神様にするか人間にするか決めるのは最初に見つけた人間なんだよ” 8歳の夏、まりが竹やぶで出会った不思議な少女みちか。他の人とは違うルールで生きるように見えるみちかは、まりの同級生でいじめっ子の石崎からとても大事なものを奪ってしまう。責任を感じるまりはみちかに誘われ言葉で理解できる世界の外側へ足を踏み入れる──。『子供はわかってあげない』『水は海に向かって流れる』の田島列島が贈る、ちょっぴりグロくてうっかり神話なガールミーツガールの開幕です。
田島列島短編集 ごあいさつ

田島列島短編集 ごあいさつ

「どうすればお金のもらえる漫画が描けるのかそればかり考えていました。それでも今見れば好き放題に描いて幸運にもお金をもらえた漫画たちです」(田島列島) 連載デビュー作『子供はわかってあげない』で各マンガ賞に上位ランクインし、現在は別冊少年マガジンで話題作『水は海に向かって流れる』を連載中の田島列島、初の短編集。表題の「ごあいさつ」は、姉の交際相手の奥さんが突然部屋を訪ねてくるという”大事件”を瑞々しい感性と言葉で切り取り、かわぐちかいじ氏、さだやす圭氏に絶賛された2008年の新人賞受賞作。その後10年の月日をかけて発表され続けた珠玉の短編全7編に加え、「モーニング」誌上に時々掲載されていた1P漫画やイラストも収録。ファン必読、オールアバウト田島列島とも言える一冊です。
水は海に向かって流れる

水は海に向かって流れる

「あの人、本当は怒りたいんじゃないの?」高校への進学を機に、叔父の家に居候することになった直達。だが最寄りの駅に迎えにきたのは見知らぬ大人の女性、榊さんだった。案内された家の住人は、親に黙って脱サラしたマンガ家(叔父)、女装の占い師、ヒゲメガネの大学教授、どこか影のある25歳OLと、いずれも曲者揃い。そこに高校1年生の直達を加えて、男女5人での一つ屋根の下、奇妙な共同生活が始まった。共同生活を送るうち、日々を淡々と過ごす25歳OLの榊さんに淡い思いを抱き始める直達だったが、彼女と自分との間には思いも寄らぬ因縁が……。少年が家族の元を離れて初めて知る、家族の「罪」。自分もその被害者なのかもしれないが、加害者でもあるような気がする。割り切れないモヤモヤした思いを抱きながら、少年は少しずつ家族を知り、大人の階段を上っていく。前作から4年の沈黙を破った田島列島が、ユーモラスかつセンシティブな独特の筆致で描くのは、家族の元を離れて始まる、家族の物語。家族の元を離れて始まる、家族の物語。高1春、曲者揃いの住人たちと男女5人の共同生活を始めた直達。彼が淡い想いを寄せる25歳OLの榊さんとの間には、思いも寄らぬ因縁が……。「別冊マガジン」連載時より作家、著名人、漫画読みから絶賛の声が続々!宝島社「このマンガがすごい!2015」オトコ編第3位、マンガ大賞2015第2位など各漫画賞を総ナメにした名作『子供はわかってあげない』の田島列島、待望の最新作!
子供はわかってあげない
ことばを伝えるということ
子供はわかってあげない 田島列島
影絵が趣味
影絵が趣味
ここ数年で「PC的に優れている」だとか「PCをクリアした作品」だとかいう物言いをよく耳にするようになりました。PCとは無論、ポリティカル・コレクトネスのことですが、これと同時期の作品では映画「マッドマックス 怒りのデス・ロード」がきわどいテーマを扱っているのにも関わらずPC的に良かったと称賛されていました。近頃は、逆に、このPCを 大きく逸脱すると消費者(はたしてそれは誰?)から大量の苦情が寄せられ、結果、作者が作品を取り下げるなんてことも珍しくないですね。 PC的に優れた作品は本当に優れた作品で、そうでないものは規制すべきなのか、という議論は、本居宣長の「政のたすけになる歌もあるべし 身のいましめとなる歌もあるべし また国家の害ともなるべし 身のわざわいともなるべし それでも人間の真実が描かれれば、芸術であり文化・・・(要約)」この言葉に委ねるとして、さて、「子供はわかってあげない」はPC的に優れた作品のひとつであると思います。 では、このマンガに魅力があるのは、はたして、PC的に優れているからなのでしょうか? 声を大にして言いたい、答えは否!!! もちろん魅力を底上げする要素のひとつにはなっているかもしれません。ただ、このマンガを読んだ人は誰もが物語終盤の「○○くんがすき」に大きく心を揺さぶられるはずなのです。探偵をやっている女性になった兄だの、本当の父親を探しに行くだの、新興宗教だの、大金が行方不明だの、いかにもPC感覚が必要そうな小話を散々盛り込んだ最終着地点が、ただただ好きなひとに「すき」ということを伝えるだけなのです。 なぜ、「~くんがすき」だなんて掃いて捨てるほどありそうなマンガのセリフにここまで感動するのか。それは、このマンガには、人間の、青春の、真実の一コマが瑞々しく描かれているからなのではないでしょうか。