あらすじ義姉妹の隣に引越してきたのは、血の繋がった仲良し兄妹。 明るく要領の良い星(ひかり)と不器用だけど真っ直ぐな深月(みづき)。クラスメイトの2人は突然義姉妹になった。いじめられていた深月は星の助けもあり、星と同じグループに馴染めるように。しかし、深月が友達と仲良くなるほど、星は自分と深月を比べるようになってしまう。さらに、隣に引越してきた兄妹は同じ高校の生徒で…? 義姉妹×友情ストーリー、苦しくても想い合う第3巻! 【同時収録】ふたりのポラリス 番外編/ニジカになりたい
誰も自分の事なんか見てくれない……そんな思いを抱えながら、人の輪の中で笑って相槌を打つ私は悲しい。そんな私の寂しさを、この『ふたりのポラリス』は、全力で肯定してくれる。 ----- 親の再婚で義姉となったクラスメイトは、クラスに馴染めず、パシリに使われる存在だった。そんな義姉の問題を解決しようと立ち回る主人公女子も、実は問題を抱えていた……という物語。 主人公が抱える問題……集団の中で自我を出せず、空気を読んで快適さを演出する心情は闇が深いのだが、実は誰でもよく分かるのではないか(勿論私もよく分かる)。 そんな主人公が不器用な義姉のまっすぐさに打たれ、手を引いていた筈の義姉に助けられ、新たな姉妹パートナーシップに力を貰って自分の問題に向き合う物語は、こちらの心を溶かす。 彼女の問題を生んだのが「親」である事は大きなポイントだろう。母親は一見感じが良いが、悪意無く娘を傷つけている。その「悪さ」を明確に描き、主人公の辛さを全面的に肯定するので、この作品は普段から「我慢をしている」孤独な人を癒す。 こんなに美しい姉妹パートナーシップや、寂しかさからの解放はなかなか得難く、現実は変わらない。それでもこの作品に触れた事で、私は自分の「我慢」が少しだけ、癒されたと感じた。 #マンバ読書会 #5巻くらいのマンガ