あらすじ

大学院生の牧村ももには、忘れられない人がいる。女子校時代に付き合っていた不思議な魅力を持った女の子・みどりちゃん。終わった恋に囚われる牧村は、ある日、偶然みどりちゃんに再会した。学生時代と変わらず魅力的で小悪魔なみどりちゃんに振り回される牧村だったが、みどりちゃんは結婚していた。しかし、その新婚生活には暗雲が立ち込めているようで…!?
かけおちガール 1巻

大学院生の牧村ももには、忘れられない人がいる。女子校時代に付き合っていた不思議な魅力を持った女の子・みどりちゃん。内緒の手紙に同じ色のマニキュア…ずっと続くものだと思っていた関係は、高校卒業の日のみどりちゃんの「どっちが先に彼氏できるか勝負しよっ!」という発言で簡単に終わってしまった。終わった恋に囚われる牧村だが、ある日、職場で偶然みどりちゃんに再会して…!?

かけおちガール(2)

大学院生の牧村ももには、忘れられない人がいる。女子校時代に付き合っていた不思議な魅力を持った女の子・みどりちゃん。終わった恋に囚われる牧村は、ある日、偶然みどりちゃんに再会した。学生時代と変わらず魅力的で小悪魔なみどりちゃんに振り回される牧村だったが、みどりちゃんは結婚していた。しかし、その新婚生活には暗雲が立ち込めているようで…!?

かけおちガール(3)

大学院生の牧村ももは、初恋の女の子・みどりちゃんのことが忘れられない。10年後、偶然再会した新婚のみどりちゃんは変わらず魅力的で心乱されるまきだったが、順風満帆に見えるみどりちゃんと夫のたずねくんの新婚生活には、暗雲が立ち込めていた。そしてみどりちゃんから誘われ、まきは旅行することになるが…!?

かけおちガール(4)

大学院生の牧村ももは、初恋の女の子・みどりちゃんのことが忘れられない。10年後、再会した新婚のみどりちゃんは変わらず魅力的で心乱されるまきだったが、順風満帆に見えるみどりちゃんと夫のたずねくんの新婚生活には、暗雲が立ち込めていた。そしてみどりちゃんから誘われ、まきは友人の小毬ちゃんを訪ねる旅行に出る。帰り道、みどりちゃんが呟いた言葉は…?

かけおちガール

書籍化に感謝したい名作

かけおちガール ばったん
兎来栄寿
兎来栄寿

『姉の友人』で一躍名を馳せたばったんさんの名作『かけおちガール』が、この度めでたく紙の書籍として発売されました。元々は電子雑誌となった『ハツキス』に掲載されていた作品で電子でしか読めなかったのですが、この機会に紙派の方にも読んでみて欲しい逸品です。 この作品に留まりませんが、ばったんさんの作品に登場するキャラクターは現実の人生で出会う人々のようなリアルさ・肉感があり、その営みに胸を刺されます。 本作では女子校時代に付き合っていたももとみどりを主軸に物語が描かれるのですが、自分の想いをあっさりと無碍にしたみどりに対する愛憎、そしてももからは見えなかったみどりが秘める真実など、現実に起こり得る当事者にしか解らない感情の発露や蓄積が極めて巧みに描かれます。 他者から見ると苛立つほど幸せに見えても、実は誰よりも暗い孤独の澱に沈んでいた……そんなことはままあるのが世界の現実です。 女性と女性という関係性といえばそうですし、女性が描く女性ならではのセンシティブなシーンも描かれるのですが、それ以上に人間と人間による深遠で切実なドラマには男女問わず没入してしまうことでしょう。 結局、絶望をもたらすのも希望を与えてくれるのも、人間なんですよね。嗚呼。