あらすじ

玄海グループ総本家は幹部の戸狩の報復と共に関東制覇に本腰を入れてきた。的を月形に絞り、葵学園理事長の九条彩子を人質に捕らえた。月形と昭和新撰組は血の抗争を覚悟で博多に乗り込んでいく。一方、千早組幹部の陣出常吉も関東勢の意地を通すために月形の味方につき、敢然と玄海グループに立ち向かっていく。『けものみち』ここに完結。
けものみち(1)
東京・赤坂にある名門私立高校、葵学園高等学校は年々生徒の不良化がすすみ、学園側もその対策に悩んでいた。そして夜の赤坂で“ザ・ムーン”と異名をとる月形潔は当学園の理事でもあった。月形は剣道部の主将・巽次郎を中心に「昭和新撰組」を結成し、学園内外の巡回にあたらせた。一方、自らは夜の赤坂を取り仕切るダイヤモンド興業と対峙する。
けものみち(2)
私立葵学園高等学校の理事・月形潔が生徒の不良化を防ぐために結成した昭和新撰組も巽次郎を中心として順調に役割を果たしていた。だが学園内では花沢理事が率いる反昭和新撰組の動きも盛んになっている頃、夜の赤坂にうごめく売春組織のグループは月形や花沢にあらゆる罠を仕掛けてくる。また九条彩子理事長と芸者・千秋の愛の葛藤はいかに…。
けものみち(3)
赤坂の夜の女王・ローズ御影は花沢理事を操り、私立葵学園の乗っ取りを企んだが、花沢の自殺によって失敗に終わった。薔薇興産の卑劣なやり方に対抗して、月形は愛人の芸者・千秋にナイトクラブ経営をさせ、ローズ御影の周囲を探らせる。だが、月形を待ち受けていたのは、元プロレス界で死刑執行人と恐れられていた男だった。
けものみち(4)
私立葵学園の理事・月形潔は、昭和新撰組とともに赤坂の女王・ローズ御影の陰謀に立ち向かった。御影の手先である死刑執行人を死闘の末に倒した月形は、芸者・千秋にナイトクラブ“羽衣”を経営させ“クリミナル・ローズ”に対抗させた。しかし、その背後には御影の元恋人である木内猟介という強敵が待ち構えていた。
けものみち(5)
葵学園の平和を脅かす薔薇興産との戦いが続くなか、思いがけない第二の敵“バット”の出現で事態は急変した。窮地に陥った女社長のローズ御影は、信頼していた木内猟介の剣に自ら身を任せ死を選ぶ。木内は生きがいを失った今、シンジケートの壊滅に走る。全てが片付き、月形との対決に挑んだ木内だったが戦い利あらず破れてしまう。
けものみち(6)
昭和新撰組を結成し、赤坂の街を自衛していた私立葵学園高等学校の理事・月形潔。一見平穏を取り戻したかに見えた赤坂だが、六本木に君臨する暴走族・スペード鉄騎団の女団長マリーに狙われていた。マリーを操り、赤坂を手中に収めようとする日本最大の暴力組織・玄界グループ幹部の戸狩健の出現で、月形の心は穏やかではなかった。
けものみち(7)
スペード鉄騎団を隠れみのに六本木を制圧した玄界グループの最高幹部・戸狩健の次なる目的地は赤坂だった。月形と昭和新撰組が拠点としているクラブ羽衣にも戸狩が顔を出すようになった。羽衣のママ・原千秋は、月形のつれない態度に心細さを隠しきれず、つい戸狩の誘いにのってしまう。関東制覇を狙う戸狩の作戦は容赦なく月形を襲ってくる。
けものみち(8)
玄海グループの関東進出に対抗する千早組の女組長も戸狩に暴力で犯されてからは骨抜きとなってしまった。月形はいまや関東の暴力団をも敵にまわすことになる。女を服従させることで縄張りを拡げていく戸狩の作戦は成功したかに見えたが、意外なところに穴があった。まずスペード鉄騎団のマリーの裏切りから事態は思わぬ方向へ動き出すのだった…。
けものみち(9)
玄海グループの関東制覇は幹部の戸狩健の巧みな戦略で赤坂制圧を残すのみとなった。月形と昭和新撰組はこれを阻止するために強硬手段に出た。月形と戸狩の一対一の闘いは、二人の因縁の場所・羽衣に移される。死を恐れぬ者同士の対決の最中、戸狩は羽衣のママ・原千秋に襲いかかった千早組の組長・千早雪の前に自ら身を投じて死を選ぶのだった。
けものみち(10)
玄海グループ総本家は幹部の戸狩の報復と共に関東制覇に本腰を入れてきた。的を月形に絞り、葵学園理事長の九条彩子を人質に捕らえた。月形と昭和新撰組は血の抗争を覚悟で博多に乗り込んでいく。一方、千早組幹部の陣出常吉も関東勢の意地を通すために月形の味方につき、敢然と玄海グループに立ち向かっていく。『けものみち』ここに完結。