あらすじ葉山かすみは27歳のOL。日々のもやもやを煙草で解消していた。その姿を見られた同僚・牧村に刺激を受け、変わろうと試みるが、しっくりこない自分がいた。でも周囲の人間も変わらない現実にもやもやしているのに気付いたかすみは…。ケムリが風に任せて変化するように、人生も流れに任せて変わってもいい…。答えが見つからない女性に贈るストーリー完結巻。
あらすじには書かれてないけど、主人公が勤めている会社が中堅のSE会社なんですね。自分もシステムエンジニアかつ喫煙者なので、SEの仕事ぶりの描写に興味津々でした。細かいところで気になる部分はあるにせよ、オフィスラブより職場の人間模様だったり、タバコや恋愛のメインテーマからは少し離れて、主人公が技術者と積極的に関わるようになり、少しずつ成長していく物語として、自分は読みました。SE業界では、なぜ未だに喫煙者がこんなに多いのか?とても客観的に見ることができました。客先常駐の実情、本社開発部門との待遇の差、職場でのエンジニアと非エンジニアの関係性などなど、どうしてもそちらに目が向いてしまいますが、そこに本筋よりも面白さを感じましたね。細かい所だと、顧客との機能追加打合せの場で、「テーブルに2カラム追加すれば対応できます」と安易に答えてしまうシーンには苦笑いしました。全体として、中堅SE会社の雰囲気というものが非常によく現れていると思います。容姿など見た目の部分を除けばですが、SEという仕事の内情を知るのにも良い作品じゃないかと思います。