あらすじ

貧しいが、明るい働き者の娘だった、キヨコ。キヨコは母をささえ、美味い飯屋を切り盛りしていた。最下層の出身で“命使い捨て”の殺し屋、小辰。キヨコは、縁あって小辰の朝晩の飯の面倒をみることになった。夢中になってキヨコの作った飯を食う小辰。読み書き算術を知らず、空腹になれば気絶するまでキヨコの飯を待ち続ける小辰。そんな幸せな日々は、突然に終わる。小辰を殺し屋として育てた男、中田がキヨコの母を殺し、キヨコを自分と小辰の「家族」とするためにさらったのだ。それを中田から知らされたキヨコは二人のもとを逃げ出す。キヨコを捜しさまよう小辰。しかしキヨコは、小辰の手がもっとも届かない“ある場所”へと連れ去られていた―――
よるくも 1巻

この[世界]には、上・中・下、がある。富めるものの住む[街]。貧しいものの住む[畑]。その下に、深く、暗い[森]――。[畑]でうまい飯を出す高岡飯店。看板娘のキヨコは、母をささえながら店を切り盛りするはたらき者。ある日、店の常連の“裏の仕事の手配師”中田の頼みにより、[森]からやってきたという殺し屋「よるくも」の毎日のメシの面倒をみてやることになった。「よるくも」は[森]に使い捨ての子供として生まれ、感情を持たず、痛覚を持たず、読み書きの知識を持たないままに育ち、中田の指示により殺しの仕事を日々こなす青年。キヨコとよるくもが出会うことにより、[世界]は少しずつ壊れはじめる――圧倒的に鋭利な新才能が描く、愛と暴力の悲劇、開幕!!

よるくも 2巻

美しく気さくで“森”の人間に対しても差別しなかったキヨコの母が見せた、暗い暗い本性。親密になっていくキヨコと小辰。しかし、母は小辰の保護者・中田に言う。「キヨコを、おまえらのような“森”の人間なんかにくれてやるはずがない」。「街」の下に「畑」、「畑」の下に「森」。ここに住む全ての人間が逃れることのできない、そして、全ての人間が必要としている、暗い暗い「階層」というシステム。中田の怒りと悲しみが爆発するとき、目を覆うべき悲劇が起こる!!愛が地獄へと転がり落ちてゆく第2集、いよいよ発売!

よるくも(3)

貧しいが、明るい働き者の娘だった、キヨコ。キヨコは母をささえ、美味い飯屋を切り盛りしていた。最下層の出身で“命使い捨て”の殺し屋、小辰。キヨコは、縁あって小辰の朝晩の飯の面倒をみることになった。夢中になってキヨコの作った飯を食う小辰。読み書き算術を知らず、空腹になれば気絶するまでキヨコの飯を待ち続ける小辰。そんな幸せな日々は、突然に終わる。小辰を殺し屋として育てた男、中田がキヨコの母を殺し、キヨコを自分と小辰の「家族」とするためにさらったのだ。それを中田から知らされたキヨコは二人のもとを逃げ出す。キヨコを捜しさまよう小辰。しかしキヨコは、小辰の手がもっとも届かない“ある場所”へと連れ去られていた―――

よるくも(4)

貧しいが、明るい働き者の娘だった、キヨコ。最下層の出身で“命使い捨て”の殺し屋、よるくも。よるくもの育ての親・中田はキヨコの母を殺し、彼女をさらった。自らの命が長くないことを知る中田は、キヨコをよるくもの保護者としようと考えたのだ。あとは、自分たち最下層民をいたぶり続ける支配者「荒磯精肉」の御曹子・王子を殺す必要がある。中田はよるくもを伴い、王子の屋敷へと乗り込んだ―――今巻はスタート早々、王子と中田の闘いがクライマックスを迎えます!そして、想像することさえ拒否したい結末へ……!!

よるくも(5)

貧しいが、明るい働き者の娘だった、キヨコ。最下層の出身で“命使い捨て”の殺し屋、よるくも。よるくもの育ての親・中田はキヨコの母を殺し、彼女をさらった。自らの命が長くないことを知る中田は、キヨコをよるくもの保護者としようと考えたのだ。そして自分たち最下層民をいたぶり続ける支配者「荒磯精肉」の御曹子・王子を殺そうと計画した中田。しかし、中田は王子に返り討ちにあい死亡、よるくもは王子に拉致された。母も中田も失い、最も恐れる「ひとりぼっち」になったキヨコは、よるくもを取り戻すため、王子との死闘に臨む―――そこに待つのは、絶望なのか救済なのか!!?ついに物語はラストを迎えます!!!愛と痛みの完結巻!!