あらすじ

古着屋「ホップ」の経営に行き詰まったチョクこと野々島直人(ののじま・なおと)は、店を譲ってほしいという原井原(はらいはら)の申し出に考え込むが、店を続けていこうと決意する。そんな時、出て行った居候・タカシの借金の保証人となっていたチョクの元に、街金の取り立てがやってくる。タカシとは連絡が取れず、チョクはその取り立てに苦しめられ……!?
SHOP自分(1) 激変

会社が倒産して恋人にも去られた青年が、古着屋を経営しながら様々な人々と出会って成長していく自分探しストーリー。溜息ばかりの毎日を送る会社員・チョクこと野々島直人(ののじま・なおと)は、ひょんなことから自由に生きるミーナと出会う。そんな時、勤めていた会社が倒産して、恋人の絵美(えみ)に別れを告げられたチョクは、絶望の中でミーナを探し求めて、「SHOP自分」という建物の前で酔いつぶれ……!?

SHOP自分(2) 心の余裕 

自分一人で生きる力をつけようと、「SHOP自分」の中で古着屋「ホップ」を開店したチョクこと野々島直人(ののじま・なおと)は、万引きされたり失敗をくり返しながらもなんとか商売に慣れていく。そんなある日、中野へ古着の買い取りに出かけたチョクは、自分と同僚達から金を騙し取った山田(やまだ)部長を発見するのだが……!?

SHOP自分(3) 苦界

後輩だった北山(きたやま)が札幌に旅立つことになり、ミーナの事が気になりながらも気持ちが揺れていたチョクこと野々島直人(ののじま・なおと)。そこでミーナだけを想い続ける決意をしたチョクだったが、ある中年男性と遭遇してうろたえるミーナを見て、その関係が気になりだし……!?一方、居候していた真島(ましま)が、置き手紙を残して札幌へ行ってしまい……!?

SHOP自分(4) 地ビール

中年男性と付き合いだしたミ-ナ、信頼していた青木(あおき)の裏切り、ライバルの古着屋「レッドサン」の全焼など様々な出来事が重なって、仕事について疑問を感じ出したチョクこと野々島直人(ののじま・なおと)。そして一人で新年を迎えたチョクは、自作の地ビール「原宿ビール」を販売する店を開くというアイデアが浮かんで……!?

SHOP自分(5) 崖っぷち

古着屋「ホップ」の経営に行き詰まったチョクこと野々島直人(ののじま・なおと)は、店を譲ってほしいという原井原(はらいはら)の申し出に考え込むが、店を続けていこうと決意する。そんな時、出て行った居候・タカシの借金の保証人となっていたチョクの元に、街金の取り立てがやってくる。タカシとは連絡が取れず、チョクはその取り立てに苦しめられ……!?

SHOP自分(6) 新しい旅

交際を始めたマキ、古着屋「ホップ」で働く京子(きょうこ)、二人の女性の間で思い悩むチョクこと野々島直人(ののじま・なおと)。そんな時、マキの元カレ・黒田(くろだ)と殴り合いのケンカをしたチョクは、顔を腫らしながら落ち着かない日々を送る。そこへタカシが戻ってきて、北山(きたやま)も札幌から帰ってくる。そのうえ、真島(ましま)までも現れて……!?そして「SHOP自分」に最大の危機?チョクの自分探し、ついに完結。

SHOP自分

変わるものと変わらないもの

SHOP自分 柳沢きみお
野愛
野愛

いいところも悪いところも納得できないところも含めてこの漫画がとても好きです。 どの側面も全部大好きな人間なんていないし、何を選んでも苦しみや痛みがなくなることなんてきっとない。 会社が倒産し恋人に振られ全てを失った青年・チョクがとある出会いから古着屋を経営し、出会いやわかれを繰り返し成長していく物語。 このチョクという青年がなかなか憎めないヤツなんですね。 愚直だけど優柔不断、優しすぎるけど妙にドライなところもあるし、流されやすいし小心者。でもいいヤツすぎるくらいにいいヤツなんです。心の隙間を抱えてる人たちが、チョクに集まってくる理由はなんとなくわかる気がします。 そしてこの漫画の1番好きなところは、チョクが古着屋をやりたいわけじゃないというところ!! 「古着屋だったらできるかも」と周囲の人から服を集めたりアドバイスを受けてなんとか店を開き、様々な困難を乗り越えてもなお、チョクは別に服を好きにならないのです。ギターをはじめたり、ビールの美味しさに目覚めたり、魅力的な女性と出会ったりしながら自分のやりたいことを探していくのです。 脱サラしてお店を経営するだなんて、夢でしかない憧れでしかないと思うけれど、そりゃ悩みは尽きないよね…って現実を見せてくれます。 悩んで流されて苦しんで、そんな日々の中で自分を突き詰めていくのが人生なのかもしれません。 最終話はめちゃくちゃ駆け足すぎるし、チョクの仕事や恋愛のその後が知りたくて仕方がないけど…人生死ぬまでどうなるかわかんないもんね、と自分を納得させています。 そして大市民シリーズと同じくブレないギャル批判がすげえ。とんでもねえ。 茶髪ガングロ厚底厚化粧へのヘイトスピーチがとんでもないですけどこれは柳沢きみお先生の一貫した主張なので、もうなんとも思わなくなりました。 そういう個人的な主義主張を抜いたらとても好きな漫画です。そういう主義主張がやばいなと思える世の中になったのはよかったと思います。 時代は変わったなあ と 時代が変わっても変わらないなあ 両方を味わえる作品だと思いました。わたしは好きです。