あらすじAIには感情がある!? 彼がもたらすのは幸せか、それとも…。/まるで人間のように意思表示をするAI・みとりにミチルは戸惑っていた。みとりのいる生活は気の休まらない日々。でも彼の存在はミチルの中で、日に日に大きくなっていて…。みとりと歩む未来に待つものとは―? 人とAIが紡ぐ家族の物語、ついに完結!
自分に配偶者がいたとして、自分の寿命の終わりが近いなと思った時に 「私が居なくなった時に、あの人のそばに自分の身代わりになるような人が居てほしい」 と思うだろうか、というのは読んで考えました。 この話は、主人公・ミチルの実父が妻より先に死ぬことを見越して自分の若い頃に似せた人型の看取りAI・みとり(名前はいろいろあってミチルが後に命名)を購入しており、一人娘であるミチルがAIの存在意義に頭を悩ませるが…というもの。 父亡き後の生活の激動の展開以外に、この漫画を面白くさせているのが、父が死の直前に残した言葉 「お母さんとあいつから目を離すな お父さんの代わりに見張っててくれ」 いや、買ったの自分じゃん…何いってんの?という急に差し込まれるミステリー。 みとりの存在自体を全肯定しない内容なので、存在することで救われる場面と、逆に血の気が引くようなゾッとする場面どちらも描かれてます。 心のどこかでまだ先のことと思っている「家族の死」と、もう既に生活の中に当たり前に存在している「AI(人工知能)」が繋がっていく。どちらも他人事ではないなと改めて思い知る。 **余談** 1巻のあとがきに、この話の元になったものがイシデ電さん主催で発行された同人誌「みんみん」に載っているとあって、「えっ、それ自分持っていますが?」となるも該当作の内容を全く覚えていないという失態。 あとから読み返したら本当に設定がまんまのやつが載ってました。おしまい。