あらすじAIは家族? それとも―。/父が遺したAIを「みとり」と名付けたミチル。みとりと母を実家に残し、東京へ戻ったが、安心はできなかった。みとりの行動は時々不可解なのに、母は危機感ゼロ。できることなら母の傍にいたい。でも、私には守るべき美容室がある。このAI、本当に信用していいの…?
自分に配偶者がいたとして、自分の寿命の終わりが近いなと思った時に 「私が居なくなった時に、あの人のそばに自分の身代わりになるような人が居てほしい」 と思うだろうか、というのは読んで考えました。 この話は、主人公・ミチルの実父が妻より先に死ぬことを見越して自分の若い頃に似せた人型の看取りAI・みとり(名前はいろいろあってミチルが後に命名)を購入しており、一人娘であるミチルがAIの存在意義に頭を悩ませるが…というもの。 父亡き後の生活の激動の展開以外に、この漫画を面白くさせているのが、父が死の直前に残した言葉 「お母さんとあいつから目を離すな お父さんの代わりに見張っててくれ」 いや、買ったの自分じゃん…何いってんの?という急に差し込まれるミステリー。 みとりの存在自体を全肯定しない内容なので、存在することで救われる場面と、逆に血の気が引くようなゾッとする場面どちらも描かれてます。 心のどこかでまだ先のことと思っている「家族の死」と、もう既に生活の中に当たり前に存在している「AI(人工知能)」が繋がっていく。どちらも他人事ではないなと改めて思い知る。 **余談** 1巻のあとがきに、この話の元になったものがイシデ電さん主催で発行された同人誌「みんみん」に載っているとあって、「えっ、それ自分持っていますが?」となるも該当作の内容を全く覚えていないという失態。 あとから読み返したら本当に設定がまんまのやつが載ってました。おしまい。