あらすじ夏目漱石とジョン・ワトソン、二人の視点から描かれる一つの事件…。各話ごとに入れ替わる視点が立体的に浮かび上がらせる衝撃の事実、そしてシャーロック・ホームズの人物像。ロンドンの密室で変死を遂げ、一夜にしてミイラとなった殺人事件は、いかなる結末を迎えるのか!?
史実で一時近所にいた実在の文豪夏目漱石とフィクション名探偵の代名詞シャーロック・ホームズを共演させる発想は面白く、事件内容は地味ですが、ホームズの原作的な雰囲気は出せていて、まずまずの出来だと思いますし、解決後の後日談は爽やかでした。 ただ、それぞれの視点で交互に描かれる形式をとるのですが、漱石側がホームズが単なるガチ狂人のコメディ意識なのか分からないが寒いのみ、漱石のホームズに対して途中まで悪感情で描かれたと解釈しても後日談に至るまでずっとそうであり、いきなり変わるのが不自然過ぎるまま結論は読者任せなど噛み合わせが悪すぎて、そこさえ良ければもっと評価出来たのになあと惜しい気持ちになりました。