あらすじ

「iメンター」と呼ばれるAIアプリが普及した近未来。最新の遺伝子情報で人を管理する社会は、遺伝子によって人生の優劣が決まる「遺伝子格差社会」と言えた。管制局第1局の兜は異例のスピードで出世する宇奈月絢奈を訝しく思い、その目的を訊ねる。意外にも宇奈月は簡単に自分の目的を明かし、それどころか「iメンター管制局」上層部が冒す禁忌-タブー-を暴露する。宇奈月と上層部との闘いはやがて全国民を巻き込み、人々に「よりよい社会とは何か」を問いかけていく…。遺伝子をめぐる近未来SF、ここに完結!
iメンター すべては遺伝子に支配された 1巻

iメンターは24時間365日、常に正しく道を照らします。“暮らしの水先案内人”に人生の決断を委ねよう--。 最新の遺伝子情報を基に、「iメンター」と呼ばれるタブレットが人間に的確なアドバイスをする近未来。 将来の夢は叶うのか、このひとは最良の結婚相手なのか。自分は、いつ死ぬのか。 iメンターは全て数字で、「正しい生き方」を教えてくれる。 本当に人間の幸せは「遺伝子」だけで決定されてしまうのか?  iメンターに管理された「理想郷」で、「正しい生き方」をデータと数字で突きつけられた人間たちの尊厳を問う。 『アイリウム』『サイコろまんちか』の小出もと貴が描く、SFオムニバス!

iメンター すべては遺伝子に支配された(2)

第1話Twitter総いいね数、驚異の18万!! これは遺伝子と愛をめぐる物語──。「iメンター」は、最新の遺伝子情報を基に人生の“可能性”を教えてくれる人工知能アプリ。時にそれは寿命や才能の限界という残酷な数値を示すAIだった。終末医療を司る「iホスピス」に配属された深水琉花は、遺伝性の病に苦しむ余命半年の7歳の少年を担当することに。特効薬があるにも関わらず、「iメンター」の示す“最適な”死期に従おうとする院長・鳳来に強い抵抗感を感じる琉花は、少年を救うべく、管制官としての禁忌を犯す決意する。遺伝子情報で管理された社会、それはいつか訪れるかもしれない近未来。『アイリウム』『サイコろまんちか』の小出もと貴が描く、今話題のGeneSF!

iメンター すべては遺伝子に支配された 3巻

「iメンター」と呼ばれるAIアプリが普及した近未来。最新の遺伝子情報で人を管理する社会は、遺伝子によって人生の優劣が決まる「遺伝子格差社会」と言えた。管制局第1局の兜は異例のスピードで出世する宇奈月絢奈を訝しく思い、その目的を訊ねる。意外にも宇奈月は簡単に自分の目的を明かし、それどころか「iメンター管制局」上層部が冒す禁忌-タブー-を暴露する。宇奈月と上層部との闘いはやがて全国民を巻き込み、人々に「よりよい社会とは何か」を問いかけていく…。遺伝子をめぐる近未来SF、ここに完結!

iメンター すべては遺伝子に支配された

遺伝子とAIに支配された世界

iメンター すべては遺伝子に支配された 小出もと貴
六文銭
六文銭

自分の遺伝子に応じて、適職や配偶者までも 「iメンター」 と呼ばれるAIツールのようなものが判断してくれる世界。 しかも精度が高いからほぼ合っているという感じで、人類は無駄な努力というものがなく(例えば、野球選手になれる特性がなければ野球をしないとか)、効率的に人生を送れるというもの。 近未来では、わりとこうなりそうな感じで読んでてワクワクした。 しかも、1話完結のオムニバス形式ですが、徐々につながっていく感じはゾクゾクしました。 余談ですが、昔何かの本で、 パンドラの箱の中身にあった、すべての災いの正体は「自分の未来」 という解釈をした本があって、それを思い出しました。 つまり、将来自分がどうなって、いつ何で死ぬかを知ること以上の絶望はないという解釈だったのですが、確かに、どうなるかわからないから可能性にかけて頑張れるというのありますよね。 だから本作のように、生まれながらにして将来が決まってしまう世界は、絶望しないのかな?とか考えてしまった。 登場人物、意外と穏便に過ごしているので。 いずれにせよ、SFジャンルとして考えさせられる作品で、3巻完結なのも読みやすくて良い作品でした。