あらすじ

小鬼の洞窟を攻略し、赤鉄級に昇格したトールたち一行。若返った大家・ユーリルをパーティに加え、次の狩場・血流しの川へと挑む。だがそこは、冒険者局の過剰な管理体制によって閉塞感が漂い、新参者には厳しい環境だった…。
役立たずスキルに人生を注ぎ込み25年、今さら最強の冒険譚 1

25年前に発生した怪物(モンスター)の大群。幼なじみの少女・ソラは、トールをかばって大けがを負い、時を止めるスキル〈停滞〉によってなんとか命をつなぎ留めた。トールは彼女を救うため、自身のスキル〈復元〉を育て上げることを決意した。戦闘にはまったく役立たないそのスキルは森の入口に彼を縛り付け、スライムを狩り続ける日々――。数えきれないほどの後輩冒険者の背中を見送り、“泥漁り”と侮蔑を受けながらも、トールは愚直に努力した。そして、トール39歳。25年もの歳月を費やしてようやく完成したスキルは、世界の常識を覆すほどの性能を秘めていた。

役立たずスキルに人生を注ぎ込み25年、今さら最強の冒険譚 2

役立たずスキル〈復元〉を育て上げ、トールは幼なじみの少女・ソラと25年ぶりの再会を果たした。悲願を達成し、守るべきパーティを得たトールは破竹の勢いで突き進む――周囲からの蔑みの目は、いつしか賞賛と嫉妬が入り混じるものに変わっていた。出る杭を打たんとする冒険者局からの干渉を跳ね除け、【英傑】の高みを目指してトールはひたすら冒険に邁進する。

役立たずスキルに人生を注ぎ込み25年、今さら最強の冒険譚 3

25年もの雌伏の時を経て育て上げた役立たずスキル〈復元〉を引っ提げ、トールは獅子奮迅の活躍を見せていた。冒険者局の重鎮ダダンとサッコウにもその実力に一目置かれるようになり、目標とする【英傑】への階段を順調に駆け上がっているように見えたその矢先――突如“大発生”によりモンスターが大量出現! パーティが分断され、トールは下宿先の大家・ユーリルに背中を預けることになって!?

役立たずスキルに人生を注ぎ込み25年、今さら最強の冒険譚 4

小鬼の洞窟を攻略し、赤鉄級に昇格したトールたち一行。若返った大家・ユーリルをパーティに加え、次の狩場・血流しの川へと挑む。だがそこは、冒険者局の過剰な管理体制によって閉塞感が漂い、新参者には厳しい環境だった…。

役立たずスキルに人生を注ぎ込み25年、今さら最強の冒険譚 5

血流しの川の閉塞した環境に行き詰まるトール一行に、はぐれ者の冒険者・ロロルフたちがとっておきの秘策を持ち込んでくる。現状に風穴を空けるためには、どうやらトールの“スライム退治の腕”が必須なようで…!?

役立たずスキルに人生を注ぎ込み25年、今さら最強の冒険譚 6

血流しの川に橋が架かる希望が見えはじめた矢先、積み上げた石山が崩れ去ってしまう。さらには強敵も襲来して……!? その全てを裏で操る黒幕は誰なのか? トール一行は窮地を乗り越えることができるのか――!!

役立たずスキルに人生を注ぎ込み25年、今さら最強の冒険譚 7

ついに黒幕のリシが姿を現し、超巨大な赤水の邪霊を召喚させてしまう。トール一行は力を結集し強敵を打ち破ることができるのか?そして川の向こう岸で待ち受ける新たな冒険譚とは――!?

役立たずスキルに人生を注ぎ込み25年、今さら最強の冒険譚 8

黒鋼級冒険者も驚くスピードで破れ風の荒野を攻略していくトール一行。しかし白砂舞う過酷な環境は、たやすく冒険者の希望の光すら奪ってしまう。はたして一行は荒野の最奥に辿り着けるのか――!!

役立たずスキルに人生を注ぎ込み25年、今さら最強の冒険譚 9

ユーリルとムーの叙階を終え新しい武具も手に入れたトール一行は、二度の撤退を余儀なくされた地へついに戻ってきた。舞台は数多くの冒険者が引退することで名を馳せた「失望の荒野」――。順調に奥地まで辿り着いた一行だったが、「失望」の名を体現する悲劇が訪れる……!!