あらすじ

桃子さんと寝てしまった。少しは前向きになっていた桃子との関係も、これでまた、おかしくなてしまうと思う。自分のことでさえ、女の人がからむとうまくできない僕が、人の恋をとりもとうなんて考えるから、こうなってしまうんだろう。僕は恋にむいてないのか? とにかく、早く桃子と仲直りしなければ‥‥。
P.S.元気です、俊平(1)

『東京ラブストーリー』の柴門ふみ、初期の代表作。1983年講談社漫画賞受賞。純情一途すぎる高校生・俊平の上京ストーリー! 小夜子さん、恋をしたのは春でした。フラれたと知ったのも春でしたね。そしてまた春です。退屈を後にして東京へ出てきた僕は、桃子という奇妙な女に知り合ったがために、少々みだれ気味です。そんな暮らしの中で僕の存在は心だけになって、あなたへと向かってゆきます。小夜子さん、あなたが心の支えです。

P.S.元気です、俊平(2)

もともとは簡単なはずのことなのに、僕の周囲ではそれをいじって複雑にしてしまうことが多いのです。災いのもとはいつも桃子。騒動続きで浪人生の貴重な時間は過ぎていきます。あれもこれも僕のバカ純情がいけないのでしょうか。小夜子さんとの再会なことだって‥‥。こんなことでいいんだろうか。

P.S.元気です、俊平(3)

どうにかこうにか大学生になることができて、これで少しは落ち着けるかと思っていたのですが“やらせ”と噂される杏子さんの出現で、桃子との俊平争奪戦レースが始まって、困ったことになりました。モテていると言えるほど二枚目の自分でもないし‥‥なんだか人生に弄ばれているような僕です。

P.S.元気です、俊平(4)

桃子さんと寝てしまった。少しは前向きになっていた桃子との関係も、これでまた、おかしくなてしまうと思う。自分のことでさえ、女の人がからむとうまくできない僕が、人の恋をとりもとうなんて考えるから、こうなってしまうんだろう。僕は恋にむいてないのか? とにかく、早く桃子と仲直りしなければ‥‥。

P.S.元気です、俊平(5)

あいかわらずの行ったり来たりで2年を過ぎた僕と桃子、布由子のおじの代田氏との一件以来は低迷を続けるばかりです。しかもヒモ氏の義弟の研介やらなんやら、騒々しくって、なかなか仲直りさせてくれません。追い討ちをかけるように小夜子さん事件も発生。ーーそれどころじゃないっていうのに‥‥。

P.S.元気です、俊平(6)

夏の軽井沢で“おじさま”時館少蔵と一緒の桃子を発見、またしても猜疑心におそわれている僕です。相手が金持ちときて、多少いじけ気味。こうしていつものパターンにはまってしまう僕と桃子。これではいけないと直接、時館氏に会いに出かけた僕ですがーーいったい、いつになったら前へ進めるのやら‥‥。

P.S.元気です、俊平(7)

桃子行方不明、大学は休学、」どこへ消えてしまった。彼女の身に何か起こったのか、それとも意図的な失踪か? いままでだって、よくわからなかった桃子だけど、これはあまりにわからなさすぎる。このままあっさり話が終わってしまうのではと焦る僕です。桃子を捜さなくてはーー原因は僕なんだろうか?

P.S.元気です、俊平(8)

東京へ戻ってきてからの桃子は少し変、ころころ変わる心理状態に、当然のこと僕との関係も微妙に変化します。そんな中で恋のライバル出現!! 若き日の桃子が胸ときめかした、医者の卵、自信家、クールな曽根田。対する僕は‥‥。就職を間近にしたこの時期に問題山積みーーついつい卑屈になります。

P.S.元気です、俊平(9)

逃げ去ってゆく恋?--桃子が再びいなくなった。もしかするとこれが最後かも。桃子と出会ってから4年と半分の間、ふたりは行ったり来たりの連続で、下川や洗太郎さん、みんなそれぞれの道を歩き出して、そして僕には進歩がなかったかもしれないけど、だけど変化はあったはずだーー桃子は逃がさない。