あらすじ二人はまだお互いを知らない―― 1968年ベトナム戦争。米軍を離脱しベトコン(解放戦線)の村で平和に暮らすヒカルにベトナム戦争最大の決死作戦「テト攻勢」が迫る。第二部開幕! 『ディエンビエンフー』IKKI版全12巻を「完全版」として電子独占刊行。ベトナム・エッセイ「アオザイ通信」も完全収録
実際にあった戦争をテーマに掲げているものの、これは明らかに虚構の戦争。さながら天下一武道会。 案外、戦争はこういうものなのかもしれない。 死の恐怖と隣り合わせであることすら日常になって、人が死んだ次の瞬間には恋や娯楽に心奪われる。 ベトナム戦争は世界で初めてテレビでの生中継が行われた戦争だったはず。もはや戦争すら娯楽なのか?というくらいに人が死ぬ。 ポップでかわいい絵柄で人がわんさか死ぬので、現実味が薄れてしまう。でも、人の死に対して現実味が薄れていくこと自体が戦争の本来のヤバさのように思えて、気づくと心臓のあたりが重たくなってくる。 リアルに描いてないからこそ逆にリアルという、西島大介先生恐るべし。 戦争の最中で生きていたひとが実際にいるんだから戦争は日常でもあり娯楽でもあったんだろう。軽いノリで人が死ぬ。不条理だなあ。嫌だなあ。 悲劇悲劇していないぶん、読みやすいぶん知らず知らずのうちにダメージを負います。TRUEENDも読みます。