私的漫画世界|坂口尚|石の花
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坂口尚は定時制高校に通っている1963年,17歳のときに「虫プロダクション」の試験に受かり入社します。しかし,学業との両立は困難となり自主退学しています。
虫プロでは1年半で坂口班を受け持つことになり,「ジャングル大帝の」の原画制作に携わっています。さらに「鉄腕アトム」の後半部分も担当しています。1969年には虫プロに在籍したまま漫画家としてデビューします。
「3月の風は3ノット(1981年)」,「12色物語(1982年)」を発表し,その詩的な短編集が注目されることになります。この2作品は私の書棚にありましたが,15年ほど前に書棚のオーバーフローを解消するため1000冊ほどを古本屋に出しました。なんということか,この2作品はそのときに紛れ込んでしまったようです。本当に残念なことをしました。
1983年からは短編の世界から長編の世界に挑戦しています。その第一作が「石の花」ということになります。その後も「VERSION」,「あっかんべェ一休」の長編作品を発表しますが,1995年に急性心不全により49歳の若さで逝去します…合掌…。没後の1996年,遺作となった「あっかんべェ一休」に日本漫画家協会賞優秀賞が贈られました。