あらすじ

その男は、姉の仇の死刑囚にして、捜査の相棒――。全身の皮膚を剥がれ男性器も切断されるという連続猟奇殺人事件が発生した。警視庁は、7人もの女性を殺害した死刑囚の黒枝生に、犯罪心理学の見地から捜査協力を依頼する。捜査一課の白葉刑事は反発するが、それもそのはず、黒枝が殺めた女性のうち一人は彼の実姉であった。その気になれば自らの手で復讐を遂げられる状況下、混迷を極める捜査は「善悪の境界」へと舵を切る……。
黒白を弁ぜず(1)
その男は、姉の仇の死刑囚にして、捜査の相棒――。全身の皮膚を剥がれ男性器も切断されるという連続猟奇殺人事件が発生した。警視庁は、7人もの女性を殺害した死刑囚の黒枝生に、犯罪心理学の見地から捜査協力を依頼する。捜査一課の白葉刑事は反発するが、それもそのはず、黒枝が殺めた女性のうち一人は彼の実姉であった。その気になれば自らの手で復讐を遂げられる状況下、混迷を極める捜査は「善悪の境界」へと舵を切る……。
黒白を弁ぜず(2)
捜査一課の白葉刑事は、犯罪心理学の見地から警視庁が捜査協力を要請した死刑囚・黒枝生の「特別協力者係」として、共に犯罪捜査にのぞむ。そのかたわら、黒枝の過去に異変を感じた白葉は、過去に黒枝の自伝を出版した編集者・蛇原に調査を依頼した。7人もの女性を殺害し、死刑囚となった黒枝。その裏には、善悪の価値観を揺るがす悲痛な事実が隠されていたーー。禁断のタッグが善悪の境を問うサイコサスペンス、衝撃の完結巻。
黒白を弁ぜず
読者の倫理観に答えのない問いを投げかける物語
黒白を弁ぜず 窪谷純一
sogor25
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「黒白(こくびゃく)を弁ぜず」 意味: 物事の正邪・善悪・是非の区別ができない。  ― デジタル大辞泉(小学館)より引用 犯罪心理学を学びながら自らも7人もの人間を殺害した連続殺人犯・黒枝生。彼を捜査に参加させる上でもしもの時に"彼を撃つことができる"という理由で彼の護衛を任された捜査一課の刑事・白葉大地。かつてなく歪な組み合わせの2人によるバディサスペンス。 絶対に理解り合わない2人が対峙するのは数々の猟奇的な連続殺人、そして決して混じり合わないはずの善悪の価値観。 それを根底からを揺るがすことで読者の倫理観の奥底に訴えかけてくる、答えのないメッセージが強い作品。 また、ストーリーもさることながら、マンガとしての画面作りの"白さ"も強烈に印象に残る。会話劇が中心のために絵の情報量を少なくしようという意図なのか、背景を極端に省略したコマを多用していることも理由の1つなのだが、それよりも黒枝と白葉、2人のコントラストとしての白さが目につく。 名前およびキャラの背景に反するように、黒枝は白髪の青年として描かれ、服装は勿論、影の描写すらも黒塗りを最小限に留めている。それに対して白葉は黒髪かつ服装もスーツなので黒なのだが、まるで照明に照らされているかのように髪や服装の大部分が白く塗られる形で描かれることが多い。言い方を変えれば黒の部分が白色に"侵食"されているようにも見えるのだが、果たしてこの表現には何か意図があるのだろうか…。 1巻まで読了