あらすじ

瑠璃とトニーの距離が縮まる!距離は縮まれば縮まるほど、互いを傷つける為に存在するかのようだ!それはレースの宿命か、それとも人間であるが故のことなのか!?二人に忍び寄るアメリカンギャングたち。
F 瑠璃(1)

セナが逝った。軍馬もまたサーキットから姿を消した。あれから8年、くすぶり続けた赤黒い溶岩が今また高熱を発し始めた――瑠璃色の高熱を…!そして軍馬は――。

F 瑠璃(2)

瑠璃たちの意地をかけた全日本高速道路ラリーが始まった。すっかりオヤジ化した軍馬も、なぜか参戦。日本全土を股にかけての、引くに引けない意地の張り合い――のはずだったが、それは少女を巻き込み、瑠璃たちの過去をえぐり出す過酷な運命の始まりだった。

F 瑠璃(3)

傷を負ったレイコを伴い、瑠璃は荒廃した大地に立った。そこは剥き出しの自然が広がる生と死の境界線だった。異界に住む人々。どこまでも高いあの空の上にいるレイコに対する贖罪のように、瑠璃は泥に塗れる。

F 瑠璃(4)

アリゾナの熱気は、どこまでも男達を熱くさせる。愛とジェラシー、闘争本能が泥のスープに攪拌され、それはあまりにも人間的な狂想曲となって、かつての男達にも伝播する。黒井が、タモツが、オールマンが、そして、オヤジ軍馬が!!

F 瑠璃(5)

瑠璃とトニーの距離が縮まる!距離は縮まれば縮まるほど、互いを傷つける為に存在するかのようだ!それはレースの宿命か、それとも人間であるが故のことなのか!?二人に忍び寄るアメリカンギャングたち。

F 瑠璃(6)

トニーとの決別。変わり果てた加曽利との再会。ポパイの狂気。空が堕ちる時、人は自らの一時的な死を自覚する。だが、運命の回り舞台は止まることを知らない。ガラガラと不気味な音を立て周り続けるのだ!

F 瑠璃(7)

盟友トニーの死。誰がトニーを殺したか。瑠璃はまたひとつ命の誓いを交しあった。レーコとトニー。ひとつひとつのか弱い光はいつしか束となって瑠璃色に輝く日が来るのか。

F 瑠璃(8)

3人のガンスリンガー。舞台はいよいよインフィニティープロシリーズへ!ミジェットとは圧倒的なスピードの差に瑠璃の感覚はさらに高みへ。だがそれは、高速回転するタイヤのように、傷つき、摩耗し、発熱する過酷な新たな悲しみのステージ!

F 瑠璃(9)

レーコ拉致。身も心も彷徨えるレーコに瑠璃は為すすべもない。レーコに迫る危機。スポッターの裏切り。軍馬の挑発も、3人のガンスリンガーの友情も、瑠璃には届かない。レーコ、レーコ。僕は何故こんなにしてまで、走らなければならないんだ!

F 瑠璃(10)

ベガスの夜。哀しい親子の対決が始まる。一体何が彼をここまで歪めてしまったのか。母は最後の愛情を注ぐことができるのか。あまりに眩しい光が、こんなに暗い影を作ってしまったのか。光を追うことが暗い影を背に負うことだとしたら、神は残酷すぎる。

F 瑠璃(11)

ポパイの懐に飛び込んだ瑠璃。トニーの死を無駄にしないために。何よりレースを守るために。だが、瑠璃の前に現れた邪悪なる存在が…。影の軌跡を追走する、暗黒の住人。ジョー・ブラック。オーバルトラックに具現化した闇の疾走者に、瑠璃はコンクリートブロックに!

F 瑠璃(12)

オーバルに刻印される闇のビームと光のビーム。この楕円の世界を制するのはどっちだ。高速が切り裂く世界の真の姿!傷つきそれでも走ることをやめなかった瑠璃がたどり着いた瑠璃色の世界とは!?ついに完結!