かつて名を馳せた料亭“春秋”も板前が二代目に変わってから、その名を落とすばかり。そこで一計を案じた女将は、腕の確かな流れの板前を人に紹介してもらう。その板前の名は梶川政一。彼は、関西より西では“鬼政”と呼ばれる名うての板前だった。名店から誘いがかかるほどの確かな腕前をもちながら、それを断り日本を放浪する鬼政には、ある目的があった……。日本全国、各地の料理人との料理勝負を繰り返す、股旅料理コミックス。
かつての名店“春秋”の板長となった流れの板前・梶川政一は、飯場の徹底的な意識改善を図る。梶川政一の確かな腕と、それだけの腕を持ちながらも謙虚な姿に、周囲の板前の意識も代わる。経営を持ち直した“春秋”だったが、そこに融資を賭けた料理勝負が持ち込まれる……。
融資を賭けた料理勝負、鬼政の前に立ちふさがるのは、天性の才能を持つ料理人・伊集院貴麿。厳しい修行の末に身につけた料理の腕も、伊集院の前には霞んでしまうことを、鬼政自信も気づいている……。勝つための策はあるのか!?
抜群の腕を持ちながら、日本中を放浪する板前・梶川政一こと鬼政には、幼い頃に生き別れた妹・悦子を探すという目的があった。悦子が北海道の小樽にいることを突き止めた鬼政は、悦子と交際していたという板前・磯崎と出会う。
妹・悦子と交際していた板前・磯崎の非道ぶりを許せなかった鬼政は、大金を餌に包丁勝負をしかける。大金に目がくらんだ磯崎は、勝利を確実なものとするため、母に鬼政を襲わせる……。右手を怪我し、満足に包丁も握れない鬼政だが、男のプライドをかけ勝負の舞台に立つ!
妹・悦子を探し日本中を放浪する鬼政は、金沢の料亭・霞亭の助っ人となる。霞亭では、社長・前田を差し置いて、社長の後妻・八重子と親方が共謀し幅をきかせていた。わが子・千代に霞亭を継がせたい社長は、鬼政に千代の教育を依頼する……。
霞亭の女将の座を賭けた腕比べがはじまる。八重子・松井組は金に糸目をつけない豪華絢爛な料理で勝負をかける。対する千代・鬼政組が演出するのは、さりげない心遣いが行き届く、懐石の心。審査員がそこで見たものは――。
妹・悦子の消息を探す鬼政が向かうのは、かつて悦子が暮らしていた九州は唐津。卑劣な手段で唐津進出をはかる波多正子の板前コンテストに出場することになった鬼政だが、そのコンテストは出来レースだった……。鬼政の包丁が不可能を可能にする!
助っ人をたのまれ、信州・小諸を訪れた鬼政は、そこでとんでもない包丁勝負をすることに!望まない結婚を迫られるお嬢さんのために啖呵をきったものの、相手は凄腕料理人が3人。負けられない勝負に勝つ秘策はあるのか?
負けられない料理勝負を挑む鬼政、相手は金沢の料亭で鍛えられた3人の凄腕料理人。なんとか二人まで連破したが鬼政に、最後の一人がもちかけたのは“からくり寿司”勝負。馴染みのない料理に苦戦する鬼政だが、もう引くことはできない。
生き別れの妹・悦子が西伊豆にいるという噂を聞き、悦子を探すため鬼政は熱海の旅館・柊家で働き始める。柊家では、強引に合理化を進めようとする社長と、昔ながらの方法を守ろうとする親方の対立があった。社長は、自分が連れてきた若い板前を板長に据えようと、様々な策略を練る。
合理化を進める社長と、頑固な親方の対立が激しくなる旅館・柊家。社長は、親方が倒れ、飯場に立てない間に、一気に合理化を推し進めようとする。鬼政は、社長の子飼いの板前・桑田と、どちらが追い回しに料理を教えられるか勝負し、合理化を阻止しようとする。
同じホテルにあり、売上を競う2店の料理屋、日本料理・六甲苑と中華料理・皇華楼。ライバル同士の2店の争いに巻き込まれた流れの板前・梶川政一こと鬼政は、六甲苑代表として包丁を振るう!
中華料理・皇華楼と日本料理・六甲苑の料理勝負のお題は米。皇華楼のチマキに対して、六甲苑代表の鬼政が選んだ料理は、おにぎり。塩だけのおにぎりで贅を尽くしたチマキに勝つことができるのか?
かつての修行の地、京都に戻ってきた板前・梶川政一こと鬼政は、そこで修行時代に心を通わせた女性・静乃と偶然にも再会する。かつては結婚を約束した二人だったが、片や女将、片や流れの板前と、立場が異なることを鬼政は痛感する……。
かつて愛した女のために、ひどく傷付いた体で板場に立つ鬼政。その鬼気迫る包丁さばきに、周囲の人間は圧倒される!生き別れた妹・悦子の影を追う鬼政の、感動の板前ストーリーが完結!