あらすじ

ロンドンで事故を起こした車は、IRAテロリストの弾薬輸送車だった。その中に日本製の自動小銃と銃弾が発見される。武器輸出を禁止している日本から、工業製品に紛れさせてテロリストに武器を輸出している者がいるのだ。旅券を無効にすると脅されて、豪介は外務省の捜査の手助けをすることになり、スコットランドへ。IRAの武器調達班の通訳だったワタナベという男に成りすまして、日本製武器の売り手の正体を突き止めにかかった。IRAの連絡員の女と接触した豪介は、早速ベッド・イン。しかしいい思いのあとには、危機が待っていた!
裂けた旅券 1巻

主にヨーロッパを渡り歩いて15年になる職業不定の男、羅生豪介・33歳。ありとあらゆる外国事情に通じているため、仕事には不自由しなかった。今日はパリで、日本のアン・ノン族ツーリスト相手のにわか添乗員。浮かれる女性達の中に、勝手な単独行動で警察に保護された女性・瀬川京子がいた。彼女は自分の婚約者・片岡と、彼を追ってパリに行った友人の恵子を探しているのだと言う。予想通り二人は一緒に暮らしていたが、恵子は画家を志す片岡を、売春婦をして養っていた。パリは、自分を物語の主人公にして悲壮ぶる日本人に満ちている…。全てが秀作!ヨーロッパを股に翔ける男の読み切り短編シリーズ。

裂けた旅券 2巻

ベルギーの市長選挙に、日本の商社が原子力発電の利権を巡って暗躍していた。現職市長・バックホルツを応援する丸鷹物産に雇われた豪介は、市長の汚職を証明するメモが対立候補に渡る前に取り戻す仕事を請ける。メモの入った金庫を開けるチャンスがあったのは、掃除婦だけ。しかし秘書が眼を離したのは、たったの1分で、その間に金庫の電子錠をあけられる筈は無かった。一体どんなトリックが使われたのか?

裂けた旅券 3巻

ロンドンで事故を起こした車は、IRAテロリストの弾薬輸送車だった。その中に日本製の自動小銃と銃弾が発見される。武器輸出を禁止している日本から、工業製品に紛れさせてテロリストに武器を輸出している者がいるのだ。旅券を無効にすると脅されて、豪介は外務省の捜査の手助けをすることになり、スコットランドへ。IRAの武器調達班の通訳だったワタナベという男に成りすまして、日本製武器の売り手の正体を突き止めにかかった。IRAの連絡員の女と接触した豪介は、早速ベッド・イン。しかしいい思いのあとには、危機が待っていた!

裂けた旅券 4巻

ペルシャ湾に面し、膨大な石油で栄華を誇るアルシャム王国。日々放蕩に耽る国王と、国民の貧しさを解消すべきと具申する皇太子のシド。クーデターを企てる陸軍大臣や、石油戦略で暗躍する大国。クーデターの動きを掴んだ豪介は、アルシャム王国にジャーナリストとして潜入した。またシドと親しくなっていた豪介の養女・マレッタも、革命の勃発したアルシャムへ向かう。ソビエト、フランス、アメリカの思惑が交錯する中、豪介とマレッタは無事アルシャムを脱出できるのか?

裂けた旅券 5巻

ICPO(国際刑事警察機構)に着任した中村警部。過激派の日本赤師団を追っているのだが、フランスに潜伏していた川島の娘が誘拐され、豪介に協力を依頼してきた。川島はタンクKの異名を持つ総合商社の重役で、日本の次期首相候補の汚職に絡んでいる。だがパリ警察は、テロ組織に身代金が渡るのを嫌い、川島に国外退去を命じた。川島がパリにいなかったことにして、誘拐事件は闇に葬ってしまう気である。中村と豪介が、川島の娘を救出しようと動くが…。

裂けた旅券 6巻

セーヌ川で喪服の夫人と知り合い、ベッドを共にした豪介。後で彼女が巨額の資産を残して死んだガレロン氏の後妻だったと知る。なぜか夫人は自分を汚そうと、売春宿で働き始めるが、先妻の子供達が彼女を殺そうと追ってきていた。パリ警視庁の刑事までが、その手先となって婦人を狙う。しかし豪介の機転で、ガレロン家の息の掛かっていないフェサンドリ署の警官を動かし、危機を脱した。遺産相続の場に現れた婦人は、会社の30%もの株券を渡されるが…。

裂けた旅券 7巻

豪介と離れて、独りバイクで旅に出たマレッタ。目的地はパリから南西250キロにあるトゥールの町。といっても、本当は何処でもいいのだ。農家でお茶をご馳走になり、独りでホテルに泊まっていく。仕事をしながら、そんなマレッタからの連絡を待つ豪介。そばに居ないことで、逆に浮気も出来なかった。バイクがパンクした時、修理をしてやろうと言い寄ってきた男を追っ払い、一晩かかって自分で直したマレッタ。結局旅で分かった事は、帰るために出発するものなのだと言うことだった。さあ、パリまでもうひと踏ん張り!