あらすじ

ロビンズのベテラン・大西鉄雄が痛めていた腰を直して一軍に復活してきた。大西はパイプをポパイのようにくわえていることからポパイと呼ばれている人気者だ。大西はお客をわかせるサービス精神が大事だと、香山に華のあるプレイをするようにすすめるが、香山は聞き入れない。それが気に入らない大西は香山から4番バッター奪回を宣言する。
愛しのバットマン 1巻

香山雄太郎は、ロビンズの4番を打つプロ野球選手。こよなく野球を愛する彼を中心に展開するロマンチックストーリー!!プロ野球チームの選手香山雄太郎は毎朝きっかり9時に起床する。決まった時間に家を出て、決まった時間の電車に乗って決まった時間に球場に到着するのだ。しかし香山は、29打席連続ノーヒットという成績不振に陥っていた。一方、妻のリカはそんな香山を尻目に夜毎、遊びに出かけていた。リカのボーイフレンドの一人イシミネがそんなリカを見かけて言い寄ってくるが、見事に振られてしまう。イシミネは腹いせに香山にリカの過去の写真などを送り付け、動揺を誘う。

愛しのバットマン 2巻

ロビンズのベテラン・大西鉄雄が痛めていた腰を直して一軍に復活してきた。大西はパイプをポパイのようにくわえていることからポパイと呼ばれている人気者だ。大西はお客をわかせるサービス精神が大事だと、香山に華のあるプレイをするようにすすめるが、香山は聞き入れない。それが気に入らない大西は香山から4番バッター奪回を宣言する。

愛しのバットマン 3巻

夏バテ気味で食欲のない池畑が気になった香山は彼を夕食に招待する。数人の選手と連れだって香山家へやってきた池畑は、食欲不振も何のその、リカの手料理にがっついた。それをきっかけに、香山家には独身選手たちが夕食を呼ばれにやってくるようになった。彼らが口を揃えてリカの料理を誉めるなか、香山だけはなにも言わなかった。そんな香山に抗議する選手たちだったが、他人の家庭に口を出すなとリカにどやされる。

愛しのバットマン(4)

キャンプ半ばで突き指の治療のため東京に戻ってきた香山は、通い始めた病院で、相撲取りの北津軽と出会う。北津軽の大ファンのリカは一目見ようと香山に付き添い病院へ行く。ふたりはその途中で、恋人と喧嘩している北津軽を見かける。喧嘩の原因が婚約発表の延期にあると聞いたリカは、好きな彼女との約束を破るような情けない男にはならないでくださいと北津軽に訴えるのだった。

愛しのバットマン(5)

ジャガーズから移籍したばかりの捕手・新城はロビンズの投手達と衝突していた。みな、新城の出すサインに従わないばかりか、ついには投手のひとり古川が試合中のマウンドで新城を殴ってしまう。香山も新城にベンチで話しかけても全く無視されていたのだ。しかし、新城が平凡なキャッチャーフライを取り損ねたことから、香山の脳裏にひとつの考えが浮かぶのだった。

愛しのバットマン(6)

ロビンズのOB長淵博が文化勲章を受章することになり、香山たちロビンズの面々もその記念パーティに出席した。長淵は戦後まもないプロ野球界で活躍したスーパースターで、現役引退後も監督としてリーグ7連覇を達成していたが、いまでは野球人というよりも政治家や銀行家、文化人に囲まれるVIPのひとりになっていた。だが、パーティの次の日に出席した講演会会場で長淵は、客席に座る人々がスタジアムを埋める観客に見えてしまうのだった。講演会の後、長淵がスタジアムを足を向けると、そこに香山がいた。名選手だった昔の思い出を力を込めて語る香山を見ているうちに、長淵は自分が昔は野球選手だったことを思い出す。

愛しのバットマン(7)

ベアーズとのオープン戦で5回まで試合が進んでいるにも関わらず、控え室でコーヒーを飲んでいた荒井戸コーチは、サザンクロスの選手達の試合運びの悪さにイライラしていた。一方、ファーストからレフトへうつされたことにむくれたベンは、勝手にベンチから下がって控え室へ入ってく。後を追った香山はベンチに戻るように説得する。だが、ベンは全く聞き入れようとしない。そんなベンに腹を立て、ファーストは絶対に渡さないと言い放ち、荒井戸コーチにも、なぜ何も指導しないのかと食ってかかる香山。また、荒井戸コーチがサザンの選手たちを能なしとけなしたことに腹を立てた鳥居坂が、それとは知らずに香山のアオダモのバットを折ってしまう。

愛しのバットマン(8)

対ドルフィンズ戦ではいつも大竹選手に打ち込まれるサザンクロスのエース中条。しかし、大竹が中条の手首の筋から玉筋を読んでいることを知った中条はグローブで手を隠して投げる。そして大竹を打ち取り、香山のホームランで同点に追い付くことができたサザン。一打サヨナラのチャンスという場面で中条をアニキと慕うキャッチャーの犬丸に打順が回ってきた。

愛しのバットマン(9)

大阪ベアーズとの対戦のため大阪入りしたサザンクロスの面々。ベアーズ戦ではいつも成績の悪いベン・タッブスは打順を3番ではなく6番にされてしまう。練習を20分で切り上げてグラウンドから姿を消したタッブスは離婚した元妻・マユミと、愛娘マリーに会いに行っていた。マユミは今ではベアーズのリー・ホプキンスと再婚していた。このままでは、サザンクロスをお払い箱になってしまうと危機感を抱いたタッブスは、練習の後片付けをしている香山に怪我を負わせようとまでする。

愛しのバットマン(10)

6連勝を続けるサザンクロス。久しぶりに帰ってきた鹿児島で香山を待っていたのはロビンズで二軍落ちした大西鉄雄だった。大西は嶋村監督にいいなりにしなければならないロビンズでの野球に嫌気がさし、サザンクロスに移籍したいという希望をもって香山のもとを訪れたのだ。

愛しのバットマン(11)

サザンクロスはフロッグスとの対戦のため北海道へ遠征していた。元ヤクザの過去が発覚した鳥居坂も処分されないことがオーナー会議でも決定した。そのうえ、0.5ゲーム差で首位のロビンズが負けていることを知ったサザンクロスの選手たちは、この試合に勝って首位を奪取しようと息巻く。試合が始まるころ、踊りの稽古の真最中のチームオーナー伍代はな。稽古をつけているのはなんとリカ。稽古の終わる時間が来た途端に、テレビでサザンクロスの試合を食い入るように見るはなは、日本一のいい男だと香山を賞賛するのだったが…。

愛しのバットマン(12)

怪我が治っていないにも関わらず香山が一軍に復帰することが気にくわない有動は、香山の家までやってきて一軍に上がるのを断るように詰め寄る。香山はゲームには出さないと荒井戸コーチは約束するが、信じられない有動は自分を香山のかわりにベンチにいれろと迫るのだった。その夜の試合で、ベンチ入りした有動は中条たちをレギュラーを挑発するような発言ばかりする。

愛しのバットマン(13)

桜島で台風に遭遇し、取り残されてしまった香山たち4人は、桜島を自分の庭のように知り尽くした有動に間一髪のところを助けられる。そのころ、香山の無事を信じるリカは、帰ってきたときのためにと料理をたくさん用意して待ち続けていた。時計が7時を過ぎたころ、玄関のチャイムがなった…。