あらすじ

戦いの現場に赴いたアツシは、人の死が普通になってしまっている日常に違和感を覚える。そして、自衛官の間で“死神”とささやかれている、兵器だか人間だか分からないものが、“ちせ”と呼ばれていることを知った…。
最終兵器彼女 1巻

ぎこちなくも清純な交際をしている高校生、シュウジとちせ。札幌が突然の空爆に襲われたある日、シュウジは思いも寄らない姿に変身していたちせに出会った。背中から羽が生え、空をマッハ2の速度で飛び、とてつもなく破壊能力を持つ、自衛隊によって改造された“最終兵器”。それがちせだった。地球のあちこちで紛争が起こるたびに呼び出され現場へ向っていくちせと、彼女を見守ることしかできないシュウジ。ふたりの未来はいったい…!?

最終兵器彼女 2巻

頻繁に出撃命令が出され、戦地へと向かうちせ。一方、シュウジは街で、初恋の人であるふゆみ先輩と再会する。ちせと、ふゆみ先輩の間で心が揺れるシュウジ。そんなある日、授業中の教室で、ちせの体に異変が起きる…。

最終兵器彼女(3)

メンテナンスをしないと死んでしまう体になってしまったちせは、彼女を改造した自衛隊によって、崩壊した校舎から連れ去られていった。それを見たシュウジは、やり場のない怒りに震える。そんなシュウジの前に、再びふゆみ先輩が現れた…。一方、メンテナンスが終わったちせは、新たな出撃を拒否し、シュウジが待っているはずの思い出の展望台へと向かう。だが自らの機能によって、シュウジがふゆみ先輩と過ごしていることを知ってしまう…。

最終兵器彼女(4)

戦いの現場に赴いたアツシは、人の死が普通になってしまっている日常に違和感を覚える。そして、自衛官の間で“死神”とささやかれている、兵器だか人間だか分からないものが、“ちせ”と呼ばれていることを知った…。

最終兵器彼女(5)

平凡な女子高生と最終兵器…自分の持つ両極性のために、ちせは次第に心のバランスを失っていく…。

最終兵器彼女(6)

遠回りをしつつも、ようやく結ばれたシュウジとちせ。戦争、この星のこと、「人類」、未来…全てを考えずに、ふたりは目の前の幸福にだけ、誠実に生きる。だが、服薬を止めたちせの身体は、少しずつ「兵器」にむしばまれてゆく…!!雑誌掲載時の原稿を大幅に加筆し、通常の単行本を大幅に越えたボリュームで贈る『最終兵器彼女』クライマックス前編!

最終兵器彼女(7)

ちせを自衛隊に引渡し、生まれ育った街へと戻ったシュウジ。ある日、ちせとの約束を思い出したシュウジは、ふたりが初めてキスした場所を訪れる。そこには、途絶えてしまったはずの交換日記と、新たに再生した「ちせ」が居た…!!スピリッツ連載時の原稿に大幅加筆し、通常の単行本を大幅に越えたボリュームで贈る『最終兵器彼女』クライマックス!!

最終兵器彼女

不器用な男女の恋愛話+α

最終兵器彼女 高橋しん
ゆゆゆ
ゆゆゆ

2巻まで無料で読めるとのことで、ものすごく久々に読み直した。 当時付き合っていた人が、この漫画を読むと、ものすごく優しい気持ちになれるんだと言っていた。 相手の発言と、漫画のタイトルと作者と表紙と。 内容を予測できないまま読んで、想定していなかった内容に衝撃を受けたのを覚えている。 不器用な男女の恋愛マンガであるけど、戦争マンガ。 そして兵器。 改めて読み直してみても、モノローグが時々過去形になるのがとても苦しい。 すべてはもう終わったことなんだと思えて、その先を知りたいような知りたくないような、複雑な気持ちに支配される。 ほんのわずかなモノローグなのに。 恋愛以外の要素が大きすぎて、「最終兵器彼女」は読んでいてつらい。 優しい気持ちになるどころか、つらさに飲み込まれて抜け出せない。 あの頃は思わなかったけど、ときどき作中で描かれる戦時下の通常にも、しんどさを感じる。 戦争でメディアが絶たれ、一般庶民には何が起きているのかわからない情況であっても、日常生活は続けていかなければいけないところが、やけにリアル。 無料分の2巻分だけでも、怒涛の展開と二人に幸せになってほしさで、つらさがあふれるので、ぜひ体感してみてほしい。