かつては星々の領域まで進出していた人類がその覇権を失ってから千数百年の時が過ぎた。無人工場が生み出す完全食品「コモンブレッド」だけが人々を生き延びさせている時代、探索師の少女ハルカはコモンブレッド至上主義をかかげる「教会」の目を逃れながら、広大な廃墟を旅していた。
繁栄を極めた大都市が巨大な廃墟へと姿を変え、残された人々は完全食品生産プラントの周りに集まって暮らしている世界。危険な廃墟から遺物を回収して生計を立てている探索師ハルカは、相棒のソルと禁忌の食物を探して旅に出る。
かつては星々の領域まで進出していた人類がその覇権を失ってから千数百年の時が過ぎた。「教会」が分配する完全食品「コモンブレッド」のみによって養われる集落を出て、危険な巨大廃墟を渡り歩く少女ハルカ。彼女の目的は禁忌の食物「カレー」を見つけ出すことだった。探索の末、ついにカレーを手に入れたハルカに教会の手が迫る。
【開拓系サイエンティフィック・ファンタジー】ハルカが「月」で見つけた人類の生き残りは、意外すぎる姿になっていた。
伸縮する棒で戦う子×知識情報担当の子のバディ物である本作。『ドラゴンボール』の初期を想起させるものがありますが、本作は途中からトーナメントバトルになったりせずに、終末世界SFとして、かなり独特な作品になっています。 廃墟を冒険する超強い探索師・ハルカは、廃墟から小さなデバイス・ソルを発掘する。ソルの力を借りて、ハルカはある物の探索を始める。 彼女が探す物、それはカレー。 食料が統制されて、皆同じ物を食べている社会。供給されるブロック状の食糧。皆が食の楽しさを忘れている中で、一人食を追求するハルカの自由さと、食料の供給を通じて人々を支配する「教会」との対立は、寓話/風刺としても面白い。 勢いと戦略性のあるバトル描写、ブロック状の……どこかで見たことのあるような食料の汎用性、教会がひた隠す世界の秘密、そしてカレーを求める事と人間らしさ等々、読みどころ満載で充実したSF。どっこい生きてる人間の逞しさと駄目さと楽しさが、この作品には詰まっていると感じました。
完全食品コモンブレッドによってかろうじて生き残った人類。けれど探索師のハルカはコモンブレッド至上主義の「教会」の目を掻い潜り、廃墟を旅をする。目的は勿論、ご飯。食の知識が喪失した廃墟だらけの世界にメシはあるのか?という話。 かなり高水準のクオリティでSF×メシをやってくれるので楽しい。続きが楽しみ
伸縮する棒で戦う子×知識情報担当の子のバディ物である本作。『ドラゴンボール』の初期を想起させるものがありますが、本作は途中からトーナメントバトルになったりせずに、終末世界SFとして、かなり独特な作品になっています。 廃墟を冒険する超強い探索師・ハルカは、廃墟から小さなデバイス・ソルを発掘する。ソルの力を借りて、ハルカはある物の探索を始める。 彼女が探す物、それはカレー。 食料が統制されて、皆同じ物を食べている社会。供給されるブロック状の食糧。皆が食の楽しさを忘れている中で、一人食を追求するハルカの自由さと、食料の供給を通じて人々を支配する「教会」との対立は、寓話/風刺としても面白い。 勢いと戦略性のあるバトル描写、ブロック状の……どこかで見たことのあるような食料の汎用性、教会がひた隠す世界の秘密、そしてカレーを求める事と人間らしさ等々、読みどころ満載で充実したSF。どっこい生きてる人間の逞しさと駄目さと楽しさが、この作品には詰まっていると感じました。