あらすじ

初めてマゲを結う日を迎えた安室。しかも対戦相手が十両力士のため、いきなりの大銀杏である。鏡を見ながらハシャぐ安室だが、肝心の取り組みでは、なかなか結果を出せない。気晴らしに出かけた酒席で、「一所懸命やってるんだから、何とかなるって」と、気勢を上げる安室たちを見た床丸さんは…。のん気な性格で、番付けの上下などあまり気にしない安室は、床丸さんに説教されてからは目の色が変わり、力士らしくなったともっぱらの評判。しかしはつ子は、安室に対して力士らしさを見い出せないでいた。
おかみさん 1巻

甘い新婚生活も束の間、人気力士だった夫の引退で、新興相撲部屋「春日部屋」の新米おかみとなった山咲はつ子、20歳。寝坊はするし、チャンコも上手く作れない。前途多難だけど、やる気だけは充分なはつ子なのでした…。はつ子は昔の恋人、石川と再会。車もお金もあって、おシャレな石川は、デブでダサい相撲取りを馬鹿にする。が、はつ子は、心配して迎えに来てくれた桜丸の背中で本当の“男の価値”を知る。力士にとって食べることは大事な仕事。しかし、はつ子の作るチャンコは不気味なものばかり。

おかみさん 2巻

逆波は、十両昇進を果たした花嵐関の付き人になったが、花嵐の逆波に対する態度はとても厳しい。「相撲は実力の世界。くやしかったら強くなること」と言われ、逆波の猛練習が始まった。桜丸をいじめていた不良たちが「春日部屋」を訪ねてきた。彼らは「相撲取りになるんだ」という夢を追い続ける桜丸を馬鹿にする。そんな彼らにはつ子は…。父が亡くなり家業の酒屋を継ぐことになったため、引退することになった真弓。はつ子が立派な断髪式をあげようと準備している中、真弓は勝手に髪を切ってしまう…。

おかみさん 3巻

「春日部屋」に新弟子志願の大竹がやってきた。中学生選手権で全国三位の実績を持ち天狗になっていた彼は、カマボコ(稽古に消極的で羽目板から離れない者のこと)と呼ばれている佐藤と取り組み、コテンパンにやられてしまう。大竹は、「春日部屋」には入らず、もっと大きな部屋に行くと親方に告げる。が、兄弟子たちの真っ直ぐで温かな姿を見て、「ここでお世話になります!」と言うのだった。年末恒例の保育園での餅つき大会の日、成績が振るわなかった高崎山が「相撲をやめる」と言い出してしまう…。

おかみさん(4)

花嵐は夜の街で、かつての恋人、幸子と再会。変な男と一緒にいた彼女が心配で、はつ子に「様子を見てきてくれ」と頼む花嵐。幸子を訪ねたはつ子は、彼女が彼にお金を貸すために夜も働いていることを知る。相手の男に会った花嵐は、「お前も幸子を利用していたんだろ」と言われて激怒、殴り合いを始めてしまう。花嵐の関取としての立場を心配した幸子は、体をはって二人を止めるのだった。幸子とよりを戻したい花嵐は、どうしてよいのかわからない。「男は言葉じゃない、行動だ」と助言をうけた花嵐は…。

おかみさん(5)

「春日部屋」のベテラン床山、床丸さんが突然引退を表明した。孫の薫に跡を継がせるのだという。ところが薫は床山ではなく、行司になりたいのであった。初音が“若手注目株”として、新聞に取り上げられることになった。「新聞に載る程強くなるまでは、帰ってくるな」と勘当同然で家を追い出された初音にとっては、父と母に会える大切なチャンスなのだが…。元旦の日。日頃、忙しさにかまけてはつ子に何もしてやれなかった一雄は、「何か欲しいものはないか」とたずねる。そこではつ子が頼んだものは…。

おかみさん(6)

力士たちが「おかみさんがのほほんとしているから他の部屋になめられるんだ」と話をしているのを聞いてしまったはつ子は、スパルタおかみに変身することを決意するが…。十両だった花嵐がついに入幕。力士仲間は、花嵐の名前入りの浴衣を仕立てることになった。道懽山は、母親にちょっと似ているおでんやの偏屈おばちゃんに仕立てを頼みに行く。「春日部屋」力士たちと後援会の方々との草野球大会が行なわれた。どうにも乗り気じゃない力士たちだったが、気づくと、目の前の病院の窓には大だかりの観客。

おかみさん(7)

はつ子とマネージャーの臼木は“金の卵”の噂を聞き、新弟子のスカウトに行った。そこで二人は、喧嘩好きの乱暴者、谷恵一に出会う。大勢の不良にからまれている谷は、臼木に救われ、その姿を見た谷は行方をくらましてしまう。二日ぶりに姿を現した谷は、「もう馬鹿はやっちょれん」と入門を決めたのだ。サンタクロース=パパだと思っている祐太くん。母子家庭なので、自分にはサンタクロースがこないと思っていた。そんな祐太くんを見た力士たちは、おっきなサンタになって祐太くんの家を訪ねることに。

おかみさん(8)

毎日欠かさず稽古を見に来てくれる清水のおじいちゃんが、今朝はこない。心配した逆波が様子を見に行くと、部屋で倒れていた。そのまま入院することになったのだが、最後まで逆波の相撲を見続けたいと言って、すぐに退院してしまう。実は病に蝕まれていたおじいちゃんは、もう永くはない。何も知らない逆波は、おじいちゃんが見守る中、次々と勝星を挙げていく。逆波はおじいちゃんとともに、十両の全勝優勝を賭けた一番にのぞむ。逆波は見事優勝。それを見届けて、おじいちゃんは息をひきとるのだった。

おかみさん(9)

咸臨丸の元気がない。彼は先場所で大ケガをした後なので、再びケガをすることを恐れ、稽古に打ち込めないのだ。咸臨丸を元気付けようと、親方とはつ子は、彼のおじの店に連れて行く。“場所中ははつ子の超まずいチャンコを残らず食べ、パンツは必ず左から履く”など、ジンクスをやたらとかつぐ花嵐。あれよあれよと勝ち進んだ彼は、なんと11連勝し、春日部屋始まって以来の優勝力士誕生の可能性が出てきた。おかみさんも親方も後援会の人々も、優勝へのプレッシャーでガチガチに。そんな中、花嵐は…。

おかみさん(10)

全国大会を制覇した金の卵、金森が春日部屋の見学にきた。どこの部屋からもひっぱりだこの金森は、倉品部屋に行くことがほぼ確定していた。どこの部屋でもチヤホヤされる金森だが、春日部屋ではまったくおべんちゃらを使われない。倉品部屋入りが決まっていた金森が、突然「春日部屋に入門したい!」といいだした。彼の心を射止めたのは、どうやらはつ子らしいのだが…。関取になった初音は最近元気がない。幕下時代に親しかった仲間たちと、以前のように付き合えなくなったからだ。そんな彼に臼井は…。

おかみさん(11)

はつ子の父が「春日部屋」を訪れた。そして親方に、はつ子が実は子供の頃から相撲好きだった話を始める…。ガキ大将にいじめられていた友達の仕返しをするため、はつ子は日々、相撲の練習をしていたのだった。安室の中学時代の友人、竹下がやってきた。竹下から、安室の親友だった岡元が野球を辞めてしまったことを聞いて、心配して岡本に会いに行くと、岡本は髪を金髪にして現われた。肩を痛めて、好きな野球が続けられなくなり、グレてしまったのだ。しかし、真剣に稽古をする安室の姿を見た岡元は…。

おかみさん(12)

春日部屋に西村透、佐伯望、平山洋一の3人の新弟子が入ってきた。佐伯は逆波のことを尊敬しているようで、逆波の付き人になると言い出す。このことを聞いた親方は、3人を誰かに付けることにした。こうして、佐伯は逆波に、平山は花嵐に、西村は道潅山にそれぞれ付くことになる。3人とも、それぞれの力士と何とかうまくやっているようだが…。新弟子にとってのデビュー戦、前相撲が始まった。春場所初日の夜、道潅山の足の故障を知るが、口止めされた西村は、このことが気になって勝負に力が入らない。

おかみさん(13)

安室と同期の力士で、倉品部屋に入門した門脇が一人で出稽古にやってきた。門脇は、春日部屋の力士たちをけなし、チャンコもちゃっかり食べ、結局1日中春日部屋にいた。一雄にこのことを話したはつ子は、「それは脱走じゃないのか」と言われ、おかみさんが心配をしているのでは、とあわてて電話をしたが、倉品部屋のおかみさんは、「やる気がない子はいらない」と冷たい対応をした。9月場所第11日目、順調に勝ち続けている逆波は、今回勝ち越せば三役昇進間違いなしと言われて、普段以上に力が入る。

おかみさん(14)

春日部屋の新弟子、玉置善郎は兄弟子たちにひやかされ、恋愛のことを聞かれた。人妻に恋していると答えた玉置は、兄弟子たちに告白の仕方を相談する。この玉置の恋する人妻とは…。部屋ではいつもいばっている逆波にも苦手な人がいた。それは、対戦成績9戦9敗の滝登関である。その理由とは?高校柔道ではかなりの成績を残していた柳貴政が、入門したいと春日部屋におしかけてきた。大の相撲好きだが、身体は小さい柳。力士たちは柳の稽古に、体の大きい咸臨丸をつける。果たして入門は許されるのか?

おかみさん(15)

初めてマゲを結う日を迎えた安室。しかも対戦相手が十両力士のため、いきなりの大銀杏である。鏡を見ながらハシャぐ安室だが、肝心の取り組みでは、なかなか結果を出せない。気晴らしに出かけた酒席で、「一所懸命やってるんだから、何とかなるって」と、気勢を上げる安室たちを見た床丸さんは…。のん気な性格で、番付けの上下などあまり気にしない安室は、床丸さんに説教されてからは目の色が変わり、力士らしくなったともっぱらの評判。しかしはつ子は、安室に対して力士らしさを見い出せないでいた。

おかみさん(16)

運動生理学の専門家・マリアンが、相撲の勉強をするためにやって来た。稽古を見るうちに、トレーニングの方法に疑問を持った彼女は、逆波に独自のトレーニングメニューを渡すが…。エネルギッシュな土地・大阪でおこなわれる春場所を楽しみにしている力士が多いのに、初音は苦手であった。負けが続いているうえ、タニマチには強引に誘われる…。初音は元気を取り戻せるのか?はつ子が、妊娠した!?ただでさえ手のかかる力士達が山ほどいるのに、果たして安定した妊娠ライフを送ることができるのか?

おかみさん(17)

お腹の赤ちゃんのためにクーラーを使わなかったり、ジュースの飲み過ぎに気をつけているはつ子だったが、真夏日には暑くて暑くてたまらない…。そしてついに、その日はやって来た!はつ子が母になった!苦しいつわりも、真夏の暑さも乗り切った彼女の「女の土俵」をじっくりご覧あれ!一方、もちろん男の土俵も燃えています!気力体力大充実の逆波が、大関獲りに大ばく進!たちはだかる重圧、強敵に春日部屋は一体となって立ち向かう!その先頭に立つのは、当然、おかみさん。千秋楽の巻!!