あらすじ

2006年5月に「五百羅漢」のタイトルで発表されていた小山田いく短編集を今回は3冊に分けて配信。第1巻は表題作品「五百羅漢」の他短編4作品を収録しました。 「五百羅漢」…雑誌「野仏」の専属ライターとして石仏を取材して歩く数巳(かずみ)と恋人の美津子(みつこ)は2人で美津子の実家を訪れる。それは村にある五百羅漢を訪れるためだったが、村ではこの場所は立ち入り禁止という暗黙の了解があった。五百羅漢を訪れてからいつもと違う暗い雰囲気を漂わす美津子と数巳を見て亡き従弟、純生(すみお)の名前を呼ぶ美津子の兄に違和感を覚える数巳。やがて数巳は美津子に隠された秘密を知る事となるが、その時彼を不可解な現象が襲う…。その他、訪れる人もいない山荘を守り続ける老人とそこを訪れた一人の女性。老人はやがて女性に山を愛し、山を描き続けた一人の男について語り始める…「山荘夜話」、薄幸の少女、災子は交通事故で命を落とすがひょんな事から妖怪「猫又」になり?!の「災子、猫又ね!」、とある中学校の庭にある卒業記念の桜とそれを守り続ける教師、朝森(あさもり)。植物を愛する少女、春水(はるみ)は朝森との触れ合いを通してその桜に寄せた人々の想いを知る…「記念樹」、あとわずかで定年を迎える刑事、岩佐の元に配属されてきた新人刑事、栗林奈美。彼女は岩佐が心残りという事件を再捜査するよう、彼に力をかすが、その裏には彼女の隠された秘密があった…「風舞人」。 今回の配信にあたり、特別に録り下ろした『すくらっぷ・ブック』の登場人物・桜井光代のモデル・光代さんのインタビューを掲載しています。
五百羅漢 1

2006年5月に「五百羅漢」のタイトルで発表されていた小山田いく短編集を今回は3冊に分けて配信。第1巻は表題作品「五百羅漢」の他短編4作品を収録しました。 「五百羅漢」…雑誌「野仏」の専属ライターとして石仏を取材して歩く数巳(かずみ)と恋人の美津子(みつこ)は2人で美津子の実家を訪れる。それは村にある五百羅漢を訪れるためだったが、村ではこの場所は立ち入り禁止という暗黙の了解があった。五百羅漢を訪れてからいつもと違う暗い雰囲気を漂わす美津子と数巳を見て亡き従弟、純生(すみお)の名前を呼ぶ美津子の兄に違和感を覚える数巳。やがて数巳は美津子に隠された秘密を知る事となるが、その時彼を不可解な現象が襲う…。その他、訪れる人もいない山荘を守り続ける老人とそこを訪れた一人の女性。老人はやがて女性に山を愛し、山を描き続けた一人の男について語り始める…「山荘夜話」、薄幸の少女、災子は交通事故で命を落とすがひょんな事から妖怪「猫又」になり?!の「災子、猫又ね!」、とある中学校の庭にある卒業記念の桜とそれを守り続ける教師、朝森(あさもり)。植物を愛する少女、春水(はるみ)は朝森との触れ合いを通してその桜に寄せた人々の想いを知る…「記念樹」、あとわずかで定年を迎える刑事、岩佐の元に配属されてきた新人刑事、栗林奈美。彼女は岩佐が心残りという事件を再捜査するよう、彼に力をかすが、その裏には彼女の隠された秘密があった…「風舞人」。 今回の配信にあたり、特別に録り下ろした『すくらっぷ・ブック』の登場人物・桜井光代のモデル・光代さんのインタビューを掲載しています。

五百羅漢 2

2006年5月に「五百羅漢」のタイトルで発表されていた小山田いく短編集を今回は3冊に分けて配信。第2巻は短編5作品を収録しました。 第1話「呪雨前線(じゅうぜんせん)」…山の中で「何者か」に追われる2人の少女、河原崎ユキ(かわらざき ゆき)と桑原乃里子(くわはら のりこ)。全ては2人が春休みのある日、小学校からの友人、小野塚星奈(おのずか せいな)と野田秀子(のだ ひでこ)の2人と共に星奈の家の別荘に遊びに来た時から始まった。その日、別荘に着いた皆の前で星奈は様子のおかしいそぶりをし、事件を装って皆をからかう。騙されて笑い出す乃里子たち3人だったが、その後、4人の周りに奇妙なことが起き始める。やがて、秀子が何者かに襲われ、星奈は姿を消した。ユキと乃里子は再び星奈の別荘に向かうが、その山中で「何者か」が2人を襲う。必死に逃げる2人を待ち受ける物は果たして…! 第2話「さよなら香乃ちゃん。」…萩村香乃(はぎむら かの)は優しいパパ、ママとの三人家族。隣にいる伊藤さんのご夫婦もちょく遊んでくれる。伊藤さんご夫婦には汐音(しおね)という娘がいたが、10歳の時にひき逃げに会いこの世を去っていた。ある日、香乃は友達の家に遊びに行く途中猫の尻尾を踏んだ拍子に電柱に頭をぶつけてしまう。その時、彼女の頭の中に不思議なイメージが浮かんだ。友達の家に着いてすぐ、香乃は友達の母親に当然のようにその家で飼っていた犬のことを聞くが、それは香乃が知るはずも無い昔の話だった…! 第3話「ふるやのもり」…何かにつけて臆病で友達もいない、すみれ。ある日、すみれはおばあちゃんが病気と聞いて田舎に駆けつけるが、おばあちゃんはいたって元気だった。すみれはとりあえず、おばあちゃんの家に泊まることになるがその日に限って家には奇妙な訪問者たちが次々と訪れ…! 第4話「待宵電車」…高校受験を控えながらも塾の合宿を欠席し、夏休みを田舎で過ごした、はつみ。新学期になり、焦りを感じたはつみは集中的に塾の補習を受けるようになる。そんなある日、はつみは帰り道の電車で同じ塾の大学受験講座に通う憧れの先輩、中條(なかじょう)に会った。偶然、憧れの人に会えて浮かれるはつみ。だが、彼女はやがてその電車が何かおかしい事に気付き…! 第5話「手」…夫の隆広、連れ子の玲司と暮らす主婦、桂子。結婚して2年になる彼女はすでに夫と子供の態度に精神的な限界を迎えていた。彼女は現実から逃げるように以前から行っていたガーデニングにのめり込んで行くが、そんなある日、桂子は異様な物が地面から生えている事に気付く。それは、人間の「手」だった。動揺し、妄想にとらわれて行く桂子。そして桂子が追い込まれって行った時、この手をめぐり予期せぬ事実が明らかになって行く…! 非公認団体「小山田いくプロジェクト」が2019年2月23日から期間限定で集めた小山田いくファンのコメント第二弾も掲載!

五百羅漢 3

2006年5月に「五百羅漢」のタイトルで発表されていた小山田いく短編集を今回は3冊に分けて配信。最終巻となる本作は短編5作品を収録しました。 第1話 「滅びの日記」…近所に住む正太郎(しょうたろう)に誘われ大仁(だいに)、美可子(みかこ)と共に老人の殺人事件が起きた家に忍び込んだ小実乃(こみの)。彼女はそこで一冊の日記を見つけた。そこに書かれていたのは人の心が荒び人類の滅びに続いてゆく未来の出来事。小実乃たちはその内容におびえ、学校の授業にも身が入らない。正太郎はそんな小実乃たちをけしかけ、再びその家に忍び込むが、そこに現れたのは意外な人物だった…! 第2話 「怨霊峠」…両親を事故で亡くし兄と暮らしてきた宮下梓(みやした あずさ)は兄、哲雄(てつお)に恋人ができたことを喜んでいた。だが、ある日恋人の小柴美絵(こしば みえ)とドライブに出た哲雄は事故で帰らぬ人となってしまう。恋人の美絵は重傷を負いながらも生き残ったが、梓は彼女の態度に違和感を感じた。そんな梓の前に矢車署の刑事、斗賀が現れ、やがて事件は誰もが想像もしない方向へ向かって行き…! 第3話 「廃校の一夜」…気が付くと春宮文女(はるみやあやめ)はかつて彼女が通った小学校の分校の前に立っていた。何故そこにいるのか、事情がのみ込めない文女の前に同級生の加倉七弥(かくら ななや)が現れる。七弥は同じ学校に通う同級生の早希(さき)、美帆子(みほこ)に声をかけ、その廃校で闇鍋パーティーを始めるが、鍋をつつきながら思い出を語り合ううちに七弥たちの態度に異変が現れる…! 第4話 「白い異界」…ある雪の日、自宅で一人留守番をしていた紀予(きよ)。雪が全ての音を消してしまったかのような不思議な静けさの中、いつの間にか眠りに落ちた彼女はそこで恐ろしい夢を見た。それは恐ろしい森の化物の夢。そしてやがて目を覚ました彼女の前におぞましい光景が広がり…! 第5話 「えるふ」…人はその最期の時、その一生を走馬灯のように思い出すといわれるが、その時を迎えた村瀬貢生(むらせ つぐお)の脳裏に甦って来たのは1人の少女の思い出だった。幼い頃、両親と共に新居に引っ越した貢生の前に「えるふ」と名乗る不思議な少女が現れた。時を同じくして貢生たち一家はその家で起こる不可解な現象に巻き込まれて行く。問いかける貢生に何も答えない、えるふ。だが相次ぐ不可解な現象の末貢生が絶望の縁に追いやられた時、えるふは貢生にその真実を話し始めて…! 巻末には小山田いくの代表作「すくらっぷ・ブック」の登場人物、小宮山雅一郎のモデルになった小宮山さんのインタビューの他、小山田いく作品に寄せるファンたちの熱いメッセージを掲載!